ハナミズキ 2015-06-19 22:03:00 |
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地上に降り立ってはみたものの、見渡すが限りなにも無い草原だ。人影も無ければ道さえも見当たらない。見えるのは草木と山だけだ。どっちに行けば町があるのか分からず途方に暮れていると、龍神刀が提案をしてきた。
―― 主よ よろしければ我が町の近くまで送り届けよう ――
桃華は龍神刀をケースから取り出すと、刀はその姿を龍に変えて、桃華を背中に乗せると空高く舞い上がった。龍の背中から見えるその景色からは、山の向こうに村が見える。しかしその町並みは桃華が知っている物とは違っていた。日本らしい建物が何一つないのだ。何処かのテーマパークの様な、中世ヨーロッパ調の建物が並んでいた。
ビルなどは1つも無く、せいぜい3階建ての建物が一番高い建物と言ったところだろ。土壁と煉瓦の壁の建物が目に入ってきた。
桃華が推測するところ、ここは日本ではないと言う事になる。その事実を確かめるために、桃華は村はずれの山道に降ろしてもらい、そこから歩いて村に入る事にした。
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