短編です

短編です

雪風  2015-06-07 23:36:40 
通報
短編書きます。

コメントを投稿する

  • No.11 by 雪風  2015-07-03 23:21:25 

この空間の居心地の悪さはいつものことだが、今日はいつも以上だ。
そう感じるのは、お願いをする僕の立場のせいだろう。

二人が振り向く。

結衣は僕を一瞥すると露骨に嫌そうな顔をして、テレビの方に顔を戻してしまった。

結衣の行動は僕の予想を外させない。

「おお、お帰り。しかし、お邪魔します、は無いだろう駿太君。君の家なんだから。」

お父さん明るくそう言った。

が、何ともわざとらしい。
無理やり明るい声を出しているのが見え見えだった。

結衣が僕を拒絶する姿勢でいる以上、お父さんの明るさは虚しくなるだけだ。

「済みません。」

謝る僕にお父さんは、

「まあ、いいさ。ところで話って?こっちに来て座りなさい。」

と、自分の隣のソファーに座るよう促す。

「いえ、服が濡れているんです。ソファーも濡れてしまうので、ここで話します。」

「ならばお風呂に入って着替えてからの方がいいんじゃないかな。」

「大丈夫です。早く話をしたいんです。」

僕は長居をするつもりはない。

「そうか。分かったよ。では遠慮しないでソファーに座りなさい。立ってては話なんて出来ないよ。」

とにかく座らないと話は進まない様だ。
仕方なく濡れたままだがソファーに掛ける。

結衣の遠慮ない溜め息が部屋の中に響く。

結衣の横顔が見える位置に僕は来ている。不機嫌そうな表情だ。

そこへお母さんが表れる。部屋に入ってきてお父さんの隣に座った。

「実は仔猫を飼いたいんです……いいですか?」

自分でも知らぬ間に下を向いていた。

どんな判決が下るのか。

緊張を感じる。

しばしの沈黙の後、

「いいんじゃないかな。」

と、お父さん。

僕は顔を上げる。

「いいじゃないか。駿太君が飼いたいなら反対する理由なんかないよ。」

お父さんはニコやかにゴルフクラブの手入れをしながら言った。隣ではお母さんはホッとした表情があった。

「ありがとうございます。」

僕は頭を下げた。そしてハッとする。肝心なことを言っていなかった。

仔猫は目が見えないことを。

「あっ!実はその仔猫は……」

僕の言葉を結衣が遮る。

「嫌よ!あたし。反対!」

[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:その他のテーマ







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック