” 非現実的出会い ” 指名/BL

>支子 ( >31 )

_____、御前さんの気持ちはよォく解った。

( 自分が相手を人間にしようとする行為はもしかしたらエゴなのかも知れない。自身が罪悪感に駆られない為にしている最低な行為なのかも知れない。相手の為と口にしつつ相手が人間になる事で、両親は本当は親でなくて、だから何れ伝えなければならない”真実”を聞いても側に居てくれる。謂わば自分の為なんて、我ながらなんとも子供染みた脳味噌だと思う。悔しそうな表情に唸り声、狼の子が叱られた後と何ら変わりないそれは人間ではなく狼のもの。口を開こうとしたその時、伸びてきた腕によりそれは阻止されてしまう。思わず頭が下がったのは相手の手の位置が後頭部にあったからで、まるで母親が子を安心させる為に使うような其れは相手の声を近くさせ先程の考えが益々膨れ上がってしまった。相手の言葉の後に少しの間を置いて上記を呟き「___御前さんは御前さんの生きたいように生きろ」そしてその先大きくなるにつれて少しずつ人間の良さを知ればいい。それまではと思考ぶら下げそう続けて告げ。自分より低い相手に抱き寄せられては必然的に首が下がり痛くなる前に離れようとした矢先、顔に触れたのは生暖かい其れで。「…支子…、御前さんの愛情表現は色々と危ない」呟くように告げては相手を強い力で引き剥がし、一瞬離れつつ相手を見詰めては再度顔を近付けその口横に口付けを落とし。__直ぐ、何も言わずに相手から離れては貰い受けた野うさぎをスープにしようとキッチンへ向かい )