” 非現実的出会い ” 指名/BL

＞霧島

――…、

(褒められるとばかり思って居た行為を真摯な瞳で此方を捉えながら褒められないと教えられれば、根っ子では自分が人間よりも狼に近い存在だと思って成らないが故に相手の言葉を真っ直ぐに受け止める事が出来ずに最初こそただ只管と呼吸さえも抑え込んで黙りこくり言葉を受けつつ、眉尻を拗ねる風に落としてギザギザとする歯で下唇をギュウと悔しそうに噛みしめて。体制のせいで見下ろす様に視線を交わす相手が冗談や嘘ではなく、自分の今し方の行為を咎めているのだと解ると殊更にやり場のない感情が生まれてしまって"グルル"と喉を鳴らす事で不満を訴えて見せて。後頭部へ回していた腕を自分の元へ引き寄せるとそのままギュウと力強く相手の事を抱き寄せて「何処の誰にも見せる気無いサ。アンタさんだけ、…ノボルが褒めてくれりゃァそれでいい」それは自分が人間ではないと伝える内容でもあり、だからこそ他の人間との交流を持つつもりが無い意味合いの言葉を返すと自分の匂いを相手に残す事で安心をするように抱き寄せた相手の顔に自分の顔を擦りつけて、愛しいと感じる半面で同じ位に相手の肉に自分の牙を突き刺せたらどれだけ美味しいのだろうとそんな良からぬ事が頭の中を占めてしまって、相手に縋り付く意味と味見をしたいと言う裏表ほどの真逆な意味合いを一つに込めながら寄せた顔を下から上へペロリと舌で触れる様に舐めて)