ぬし、 2014-11-27 13:50:15 |
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>荒木 類
「…」
ヤバイ、ヤバイ……完全に遅刻だ…。日が傾き始めた頃、腕時計をしきりに気にしながら電灯がつき始めた賑やかな町中を走っていく。
放課後、今日はコンビニのアルバイトが入っていたため急いで帰ろうと支度をしていると、突然担任に職員室に呼び出され、バイトの始まるギリギリの時間までずっと話していたのだった。
…進路の話なんて、別に今日じゃなくてもいいじゃない…もお…。
イライラとしながら走り続けていたものの、バイトをしているコンビニからあと数メートルの所で「うわっ!!」ドサッ!となにかにつまずきカラオケ店の前で盛大に転けてしまう。それを見たちょうど入ろうとしていたカップルにクスクスと笑われる。
あー…最悪だ。恥ずかしい…。
顔を真っ赤にし落ちた眼鏡を拾うと、ため息をつきながら、立ち上がる。ズキズキと痛む膝小僧を見れば擦りむけて血が滲んでいるのが見える。
「はぁ…ついてないな…」
込み上げてくる感情ををどこにぶつけようかもわからず。腕時計を見ればすでにバイトの始まる時刻になってしまっていて、諦めたようにスマホを出せばバイト先に連絡しようとし、ふと何となく視線をカラオケ店に向けると、相手が座っているのが見え固まる。
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