ぬし、 2014-11-27 13:50:15 |
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>荒木 類
「はい?」
相手の問いかけに一瞬だけ固まる。
気がある?私が?荒木君に?何故??
頭の中でグルグルと言葉が回り、だんだん今まで感じていた胸のモヤモヤの答えがわかったような気がして、頬が赤くなっていくのがわかった。
しかし、相手は近所でも有名な不良。そして、自分はクラスでもあまり目立たない、勉強だけが取り柄の地味眼鏡。つりあうはずがない。むしろ、相手を困らせそうな気がして暫く無言で考える。
そして、困ったように頬をポリポリと掻くと小さく息をつきそっと相手を見つめる。
「今のは別に意味はないよ。ただ、あの子がもしも彼女だったら目をつけられて、わたしの平凡なスクールライフが恐ろしいことになりそうだったから安心しただけだよ。それに、もしも気があるとしたとしても私と荒木君じゃつりあわないよ」
最後まで平然な表情のまま言うと、フッ…と笑い目をそらす。
そして、鳴り始めたチャイムを聞きながらゆっくりと捕まれたままの腕を反対の手で掴み、そっと剥がす。
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