題

料理人の目


道端のガラス片 計量スプーン3杯
広告 適量
玄関 一枚
首のないハンガー、穴の開いた靴下、折れた傘、土産の包装用容器 それぞれ一つ
レのフラット 10秒
夢 300cc

今の時代、電磁波は電子レンジなんて使っていられません。
(音+夢i)^人=
心^人(cos人θ+isin人θ)
このように、音と夢を人が回転させ電磁波を生み出すことで
料理にも真心という熱が加わるわけです。
この真心は後で調味料として使用します。

一品目で使用されるこのガラス片、政策により道端で見掛けることができなく
なりました。
ご存じの通り中毒性が高いためです。
ですが、この番組を見ている人には特別に9割引でご提供いたします。
購入の際には料理人の目を見たと言って下さいね。

広告、適量、なるべく鮮度の良いものがいいでしょう。
広告がない場合は白紙にあなたの名前を書き込んで、さっと湯通し。
どちらも人からの興味が薄いのだから、代用品として用いても構わない。
そのまま衣をつけて油で揚げる、少し焦げるぐらいが調度良い。

今回の料理に欠かせないものたちが、上記の4つの食材。
再起不能にまで陥っているくせに、定住者としてまとわりつくものなら
4つの食材以外でも問題ない。

水に入れて3分強火、その後15分弱火で煮込む。
最後の最後まで夢を搾り取ったら
皿の上にガラス片を敷き、広告を並べる。
ガラス片には広告を滑らせない効果もあるが、広告とともに食べると非常に美味しいです。

夢のスープは全て台所に流してしまいましょう。
4つの食材を夢切りしてお皿に並べたら、最後に真心をかけて完成です。
真心には夢もたくさん詰まっていて、与えられた夢に仕方なく彼らは従います。
偽の夢を吸い込んだ彼らの味といったら素晴らしいもので
今見ている悪夢の全てからあなたを救うことでしょう。

是非一度ご賞味あれ。