匿名ゆき 2014-11-23 17:15:10 |
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不明
君はこの先を読まないでほしい
君を大事にしたい気持ちは本当なんです
君にだけ読んでほしくないことがここに書かれている
君にだけには読まれたくないから、僕は書かなければいけない
君だけが特別であることを示すために、僕はここで君だけを省かなくてはいけない
例の本について、僕は急げとも慌てるなとも言えないし、ただその時を待つぐらいしか権利がない、いや、正確には何の権利も持っていない
待ちたいとも、待つ気なんてさらさらないとも言えない
僕の言及が君と例の本が不自然に接近してしまう、または不自然に離れてしまう、つまり自身が干渉してしまうことが僕はとても怖い
君は僕がこのような回りくどい話し方をするとき、君と何か他の存在の間に生まれる何かが、僕という存在によって、僕の言及の存在しない世界、本来的なものが不自然なものになってしまうかもしれないという恐怖を感じないのだろうか
君は自他の境界がはっきりしているように見える、だから平気なのかもしれない
他人の意見は他人の意見だと思えるかもしれない
自分が例の本について一切言及できないというこの報告すら、一種の言及であり、僅かにでも影響を与えてしまうかもしれない
僕は君が例の本を読まずにいるのが怖い
僕は君が例の本を読んでしまうのが怖い
このどちらが起きるのか知りたくないから、僕は今ここで完全に消え去りたいと思うぐらいだ
僕は読み終えたかもしれない
僕は読み終えていないかもしれない
僕は冒頭しか読んでいないかもしれない
僕は最後の一文を読んだかもしれない
僕は何も読んでいないかもしれない
君にとってはっきりしていることは、僕は君の前で最初の一文を朗読した、これだけだと考えるかもしれない
しかしこれは君にとって、本当にはっきりしていることだろうか
僕は嘘をついて、その文をでっちあげたかもしれない
僕はここでこの文を書くのが飽きてきた
僕は飽きていない
僕が何処まで嘘をついていて、何処からが本当のことなのか探ったりしなくていい
僕はただ、対消滅させる必要があると思う
そして対消滅させる必要があるという言葉をここに書いた瞬間から、その必要はないといい始める
僕は結局君に謝り続けてしまう、ごめんなさい
ここには本の内容が書かれていたかもしれないし、書かれていないかもしれない
君がこの最後の一文を見ていないことを願いたい
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