ハナミズキ 2014-10-01 16:30:45 |
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研修期間が終わる半年の間で、鈴と圭太は一人前の医師の役割を果たしていた。
下手な医者よりも手早く、判断も的確だった。
半年で次の科に研修に行かれるのが勿体ないほどの腕前だ。
「君たちは、次は何処の科に行くんだ?」
佐藤が聞いてきた。
「僕は宍戸先生の行く所に付いて行くつもりです」
圭太がストーカー宣言並みの言葉を発した。
「本当に付いてくる気なの?圭太」
「・・・うん。僕の目標は鈴ちゃんだし、鈴ちゃんは僕の女神さまだから」
「女神様か!?こりゃ大きく出たな高橋先生」
「いえ、本当の事ですから。
僕は昔、鈴ちゃんに命を助けて貰った事があるんです。
誰にも治せなかった僕の病気を、鈴ちゃんが治してくれたんですよ。
その事実を知った日から、僕は、鈴ちゃんの側で、鈴ちゃんに技術を学ぼうと
決めたんです」
黙って聞いていた鈴が、静かに口を開く。
「ねぇ、圭太。私ね、次は国境なき医師団に行くけど、本当に付いてくるの?」
「えっ?!」
思いもよらない言葉に圭太は驚いた。
だが答えはすでに決まっていた。
「もちろん!どこまでも付いて行きます!よろしくお願いします!!」
「おぃおぃ、急に入れてくれって言われて入れるもんじゃないだろ」
佐藤が呆れ顔で言った。
「大丈夫ですよ、佐藤先生。
助手を連れてきても良いと言われてますから」
佐藤は、呆れ顔が更に呆れたような顔になり、鈴に対してこう言った。
「お前はいったい何様だ?!」
「女神さまです!」
圭太がすかさずそう言ったのだった。
そうして二人は、国境なき医師団へと行くのであった。
― 完 ―
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