【 魔女と王子 】旅路編

【 魔女と王子 】旅路編

ハナミズキ  2014-08-20 16:01:01 
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あらすじ

力を制御しコントロールする為の、視察と言う名目で修行の旅に出た、ブライアン改めイアンとサラ。
ブライアンはサラを1人の女性とみはじめていたが、サラからは昔と変わらず子共扱いをされる日々。

そんなサラに、1人の男としてみてもらいたいブライアンは、試行錯誤をする。



エピソード【魔女と王子様】はこちらになります。

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  • No.27 by ハナミズキ  2014-09-06 13:34:53 

夕方には伝説の魔女を接待する為に、伝説の魔女と懇意にしていると言われる貴族と魔女が、伝説の魔女とともに領主の城に招かれていると噂が入って来た。
この噂を聞きつけたサラとイアンは、領主の城に行く事にした。

時間を見計らい、宿屋の部屋で4人で談笑をしていると、ヤンが突然妙な事を言い出す。

「やっぱり、サラと一番お似合いなのは俺だな」

「はぁ?!ヤンのわけないだろ!サラ様とお似合いなのはイアン様だ!」
「イアンなんて、今日の騒ぎに手も足も出なかったじゃねぇかよ」

「出なかったんじゃなくて出さなかったんだ!!」

「まっ、物は言いようだな」
「サラ、少しは俺に惚れただろ?」

自身たたっぷりに言うヤンだった。
その自身はどこから来るのかと言うと、今までヤンは、庶民の中では剣の腕も立ち、それなりの知識も持っており、文武両道と言ったところだろうか。
容姿も野性味あふれる男前で、赤茶色の髪がよく映えていた。
その為、女性からも良くモテていて、言い寄られてくることも珍しくはない。
その辺の自身が今に繋がっているのだろう。


ほどなくして領主の城に出かける時間がやって来た。
ヤンとクリスには少し出かけてくると言い残し、部屋から出て行ってしまった。
護衛に付いて行くというヤンを振り切り、二人は領主の城の中に入り込んだ。

中では盛大に晩餐会が開かれていた。
二人はテラスの上から下を覗き込むように伝説の魔女を探す。
居た。
たぶん領主の隣に座ってる人がそうだろう。
悪い感じには見えなかったが、伝説の魔女の隣にいる貴族と魔女からは不穏な色の空気を纏っている感じが読み取れた。

「あの二人はほっとくとヤバイな」

「そうね。面倒なことになる前に摘み取ってしまいましょう」

二人はドア付近に移動をし声をかける。

「貴方が伝説の魔女なの?お初にお目にかかりますわ」

「誰だ貴様は!この不審者をひっ捕らえろ!!」

「動くな!」

イアンが叫ぶと誰一人として、指一本も動かせなくなってしまった。

「な・・・なんだこれは?!いったいどういう事だ・・」

「伝説の魔女ならこれ位の拘束なんて直ぐ解除できるんじゃなくって?」

「伝説の魔女様、お願いです、この術を解いてください」

何やらブツブツと呪文を唱えながら術を解除しようとしている。

「あら?おかしいわね?本物の伝説の魔女なら呪文なんて使わないはずよね?」

「おい!これは一体どういう事だ?!」

領主が問いただす。
オドオドとしはじめた偽伝説の魔女。
その様子を見ていた貴族と魔女が

「早くしなさい!何をやっているの!」
「何のためにお前を雇ったと思ってるんだ!」

「雇った?」

しまった!と言う顔をする貴族達。

「お前は偽者なのか?!」

領主は何も知らないようであった。

「私もね、普通に祝福を与えてるのなら見逃したんですけどね、あんなに莫大な奉納金を
 受け取って、あくどい商売をしてるとあってはねぇ・・・」

「ごめんなさい・・・私もやりたくてやってたわけじゃないんです」

偽伝説の魔女が泣きながら訴えだした。

「人より少し魔力が強い事をこの人達に知られてしまって、お金になるから一緒にやらな
 いかと言われたんですけど、そんな人を騙すような事はしたくなかったんで、一旦は断っ
 たんです。
 でも・・家族を人質に取られてしまい、どうする事も出来なくなってしまって・・・」

「事情はよく分かった。なら、処罰の対象はそこの貴族と魔女だな」

「貴様は何者だ!」

あくまで強気に出ている貴族だった。

「俺の名は、ブライアン・グリスフォード。この名に心当たりは?」

「ブライアン・・・グリスフォード・・・・あっ・・!?」

「思い出したようだな。この大陸の王だ」

城内が騒然となった。
領主でさえ滅多にお目にかかれないという王がそこに立っているからだ。

「お前たち二人は、伝説の魔女の名をかたり、人々を困惑させた罪で罰を受けてもらう」
「汝、その魔力を封印し、寿命も人間並みとする」

イアンがそう言うと、二人の体からみるみると力が抜け落ち、ただの人間になってしまった。

城内の拘束を解き、この事件に関わった者達の記憶をすべて消し去った後、領主には今後この様な事が二度と起こらないようにきつく言うと、二人は早々に立ち去って行ってしまった。

何も知らずに宿屋で待っていたヤンは、どこに行ってたのかとしつこく聞いてきたが、のらりくらりとかわすイアンだった。

「終わったんですね」
「あぁ」

イアンとクリスが交わしたこの言葉を、ヤンが聞くことはなかったのである。









― つづく ー

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