ハナミズキ 2014-08-20 16:01:01 |
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サラ達が入れられている部屋には、魔王候補1の連れである男4人。
この者たちは旅の行商人だった。
いくつかの国を1年かけて順番に周り、その生業で生計を立てていた。
この町に入るなり、いきなり警備兵に連行され、理由も聞かされていないので、ガクガクと震えている。
魔王候補その2の連れは、男女合わせて15人ほどだ。
この人達は旅の芸人だという。
いろんな国を周っていると、たまにこういうトラブルに巻き込まれるのか慣れているようだ。
疑いが晴れれば直ぐに解放される事をよく知っていた。
「今回は何の疑いで連れてこられたんだ?」
「知らねぇよ!それにしたってなんでヒジリだけ連れてかれたんだか・・」
「おぃ・・・もしかしてその連れてかれた人って、金髪でグリーンアイの青年か?」
「そうだよ。なんで知ってんだお前」
「やっぱりそうか・・・あの噂は本当だったんだな・・」
「噂ってなんだよ!知ってんなら教えろ!」
旅の行商人は、途中の町で聞いた噂を話し始めた。
「俺が聞いた話じゃな、この大陸の魔王様がお忍びで各小国を視察して歩いてるって話よ。
そんで、性質の悪い領主がいれば即刻お払い箱だっていう話だ」
「お払い箱って?」
「これだよ」片手で首をチョンと刎(は)ねる素振りをして見せた。
そこに居た者が皆一斉に生唾を飲み込む「ゴクリ」。
「おぃ、ねえちゃん。お前さんとこの連れも金髪にグリーンアイなのかぃ?」
「はい、そうです」
「・・・・しっかしねえちゃん・・・美人だな・・・ひっひっひ」
サラを舐めまわすようにジロジロと見だした。
するとクリスが突然サラの前に立ちはだかり、剣を構える。
「サラ様に指一本でも触れたら僕が許さないからな!」
「おぅおぅボーズ。威勢がいいねぇ」
ニヤニヤとしながら芸人の一人が嘲笑った。
「クリス、落ち着いて。ねっ?」
クリスに微笑みかけながら抱き寄せ落ち着かせた。
サラのその姿がまるで天使のように見えた男達は、羨ましそうにクリスを見ている。
だいたいの事情が呑み込めた部屋の人たちも、しだいに落ち着きを取り戻し、開放されるまで大人しく待つことにした。
しかし、いくら大人しく待っているとしても、いい加減お腹が空いてきた。
その時、急にドアが開き、衛兵が供の中から各自二人だけ付いてくるように言った。
行商人達はじゃんけんで行くものを決め、芸人一座は団長らしき人物と、先ほどいやらしそうに舐めまわしていた男の二人、そしてサラとクリスの計6人が、領主様主催の晩餐会に連れて行かれたのだった。
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