ハナミズキ 2014-08-20 16:01:01 |
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二人がこちらに近寄ってくる姿を見たデニマールは少し眉をひそめ、少し何かを考えている様子だ。
「何か御用ですかな、旅のお方」
頭の回転の速いこの男は、瞬時に判断したのだろう。
サラとブライアンが招待を隠し、大陸を回っている事に。
「少し見学をしてもいいか?」
「ええ。構いませんよ。ごゆっくりどうぞ」
あくまでも初対面の振りをする。
訓練の風景を見ていた二人は、顔をピクリと動かした。
「お気づきになられましたかな?」
「「ええ。(ああ)」」
二人は同時に返事をした。
年のころは2・3と言ったところだろう。
キレのある身のこなし、相手の行動の先を読む力、瞬時簿判断力、どれをとってもずば抜けていた。
それに、伸びしろがまだ見えていない。
――― 欲しい ――― イアンはそう思った。
「あの子は試験に出るのか?」
「いいえ。あの者たちは官僚や武官にはなれません。
よほどの後ろ盾がない限りは・・・。」
官僚や武官になれる者は、平民以上の者であり、その日暮らしを虐げられているような者は、一番下っ端から始め、伸し上がっていくしかないのだ。
「イアン、あの子が気に入ったの?」
「サラ、俺、あの子を育ててみたい。ダメかな?」
サラはクスクスと笑いながら
「人を見る目は確かなようね。
館長、あの子を私たちに預けてはもらえないかしら」
「それはもったいないお言葉ですな。
あなた方がそうお望みでしたら、こんなに喜ばしい事はありませんよ」
館長が子供を呼び、この者たちと一緒に旅に同行をしろというと、子供は目を丸くして驚いていた。
この二人が一体どんな人物なのかは、館長からは一切説明がない。
旅をしていればその内分かることだから、それまで楽しみにしていなさいと言うだけだった。
館長の言う事はいつも正しい。
館長の言う事を聞いていれば、自分のためになるという事は良く知っていた。
でも、何も話してくれないで、ただ一緒について行けというからには、何か事情がある二人なのだろうと判断をした。
見た感じ悪い人たちには見えない。
それどころか、どこか気品に溢れていて、なんと言ってもその容姿には目を引かれる。
絹糸のようにさらさらと風になびく金髪にグリーンの瞳・・・かっこいい。
女の人の方は、栗色の髪にブルーの瞳、綺麗というよりは可愛い・・・。
まるで天使の様だとさえ思える二人だった。
そんな事を考えながら、顔を紅く染めながらボーっとしていると
「この子の名前はクリスと言います。
両親は数年前に亡くなってはおりますが、この子は魔族です。
きっとあなた方のお役にたつと思いますよ」
「クリス、俺たちと一緒に来るか?」
「はい!お供させてください!」
嬉しそうに満面の笑みでそう答えた。
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