ハナミズキ 2014-08-20 16:01:01 |
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「それで、武官を辞めてここに引っ込んでる訳は何なんだ?」
「彼はこう言ったわ」
―――― サラ様、私の命は王陛下に拾って頂いた様な物です。
他の大陸に住んで居る者を、見捨てる事が出来ないと
拾って連れ帰っていただいたばかりか、衣食住に教育まで
して頂きました。
それに、何処の誰とも分からない私に、王室付きの武官にまで
して頂き、大変感謝しております。
あの日から私は、王陛下にこの命を捧げる決心をした次第であります。
その王陛下がお亡くなりになったいま、私の使命も終わったかと
存じ上げます。
ですが、今度の王は魔力も何も持たない人間の王にございます。
私は、生涯唯一ただ一人の主君王陛下たっての願いにより
次の魔王であらせられるブライアン様がご即位なさるまでの間
現王陛下をこの命に代えても守らせていただきとう存じます。
ブライアン様が王陛下におなりあそばされた暁には、私はこの城を辞し
ブライアン様の御ために、働いてくれる者を育成したいと思っている
次第であります。 ―――
「そう言ったのよ」
「・・・・・。」
イアンは何も言えなかった。
自分の知らない所で、何人もの人が自分を守ろうと、最善策を作ろうと働いていることなど全く知らなかったのだ。
知ってしまったからには最大限の援助をしたい。
そう思った。
話し終わった二人は門をくぐり、中に入っていった。
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