▽▲▽▲ 2014-08-18 14:57:42 |
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―――姉ちゃんはアンタを褒めてたけど、俺には何で姉ちゃんがアンタみたいなのと付き合ってたのか全然わかんねー
( 再度掴んだはずの腕が振りほどかれると、むすりと顔を顰め間合いを取った彼を不機嫌そうに見やり。そして、先程とは打って変わって見せた強気なその姿勢にわずかに驚き双眸を見開くと同時に、姉はこんな薄情な男と付き合っていたのか、なんて落胆しぶっきらぼうな口調で上記の台詞を述べ。―――恋人とよく似た顔をした人間に、そんな事を言われる気分は一体どうなんだろう。なんて残酷なことを考えながら、しかし述べた事は本心であり撤回する気もないためそのまま彼を見据えて。 )
でも俺は、姉ちゃんは誰も知らない場所に一人で寂しくないかなって、思う時があるよ
( 彼は自分が地獄へ落ちるとでも思っているのだろうか。そうとしか思えないような自嘲めいた台詞。へぇ。そう一言冷たく返事をしてやるつもりが、自分でも無意識のうちに上記の台詞を吐いていて。きっと俺はひどく影の落ちた暗い顔をしてそんな言葉を零したことだろう。しかしその隠しようもない本音は、彼に自分の弱みを見せてしまったようで今度は俺がどうしようもなく逃げ出したい衝動に駆られた。 )
―――夜、ここの前で待ってる
( 彼から提示された二つの案。場所を変えるか、時間を改めるか。その問いを聞けば俺は少々悩んだ素振りを見せたが、友人を長い間放っているわけにもいかないので後者の提案を飲み淡々と上記を返し。そして踵を返し背を向ければ、「―――働いてる時に邪魔したな、一応」なんて最低限の挨拶を述べ、店を後にしようと一歩足を踏み出して。 )
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