男子校 　/ bml

＞ 野々瀬
だから、…っも、いいって……。
( 男に“可愛い”何ておかしくないだろうか。祖母が“美鶴ちゃんは可愛いねぇ”と言うのとは訳が違って…。相手は後輩。しかも自分が尊敬してる後輩。何方かと言うと格好良いとか言われたい。可愛いって、何だか変な感じがする。良くわからない歯痒さと羞恥心に、「次言ったら口塞ぐからな」と結局記憶抹消は失敗に終わり小さく息を吐いて、明らかにつーんっと拗ねれば顔を逸らし。暫く撫でられる心地良さを堪能すれば、撫でている彼の手の上に自身の手を重ね動きを止めれば「有難う」と微笑んだ後、「今度は俺がする」と相手の髪の毛を掬うように撫でて。“抱き締めたことがない…？”いやいや、自分も男の人にこんな風に抱き締められたのは彼が初めてだけど…。けど、其れは家族も示すのだろうか。意味深い相手の発言に閉じた瞼は再度開き。何を思ったのか1度相手から自ら離れれば再び相手の上に。しかし今度は向き合うように座って。相手は今何を考えているんだろう、考えても考えても答えは出ない。なら、直接聞くしかない。相手の頬にそっと触れ微かに首を傾げれば、気恥ずかしは有るも真っ直ぐ見つめ「…なあ、野々瀬。もっと知りたい。お前のこと…」常に笑顔を絶やさず、へらへらとしていて疲れないのだろうか。抱き締めたことがないってどういうこと？様々な考えや疑問が脳内をぐるぐるまわり、素直に相手自身にも興味が有り上記告げて。 )