朔夜 2014-07-15 07:37:49 |
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【心の隙間】逆巻レイジ
*貴女はシュウが消えても尚…あの穀潰しを想い続けるのですか?この手にしたい…そう思って消したというのに、私を見ないのは何故ですか?
レイジ「おはよう御座います、もう朝食の時間ですよ?」
*ヴァンパイアにとって朝とは夕暮れ時の事、シュウを失ってからの彼女と言えば…まるで喋らぬ人形の如く無気力。何時も起こし世話をしているのは…これはもう、私の物だから。
主「…。」
シュウ…今も貴方の肌の冷たさを覚えてる…寒くない?貴方を温めてあげたい、貴方が居なくなって真っ暗になった闇に入り込もうとしてるのは…貴方の弟で貴方を殺した張本人。貴方を失ってから何もする気が起きないの、シュウの気持ちが…凄く理解出来るの。
レイジ「…今日も、何も話さないんですね」
*彼女は私の所有物。そう考えていた筈なのにチクリと痛む胸。
自然と眉が下がり無自覚で寂しげな表情を浮かべているレイジさん、驚きを隠す事は出来ず半分伏せていた目を開き。
主「…?」
*彼女が目を開いた途端沸き上がった不可解な感情に突き動かされれば、自然と彼女を抱き締めていた。
レイジ「いつも…貴女があの穀潰しの事を考えているのは、知っています。しかし、貴女はもう私の物だ…他を見るなんて許されない。」
ああ…彼は不器用なんだ。不器用で意地っ張りで誰よりも愛を欲していた…そして、全て持っていた兄に嫉妬したんだ。
*彼女の髪に頬が埋まる位強く抱き締めて、自分でも言っていて情けない事なのは理解出来た。しかし何故でしょうか?貴女だけは、そうは思わないんじゃないか…そう思えたんです。
主「…も…う、シュウは…帰って来ません。」
レイジ「っ!?…そんなにシュウが良いのか!?…私は…こんなにも…っ」
*やっと口を開いた彼女、肩を掴み少し離し相手を真っ直ぐに見れば、表情は以前の様に涙を流している彼女に私に…怒りと胸を締め付けられる不可解な感情が襲う。
私は…どうしたいの?レイジさんを、どうしたいの?シュウを忘れて…良いの?ううん、良い訳無い…でも…それでも…今、目の前で泣きそうになっている貴方を抱き締めたい。
主「…でも、私の側には…レイジさんしか居ない。今の私の世界には…貴方だけ…」
レイジさんの頬を両手で包み、自分でも驚く位柔らかい口調でレイジさんに告げていた。
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