朔夜 2014-07-15 07:37:49 |
通報 |
【怪談は恋音の調べ(上】
日吉若
------------
日吉「俺達の通うこの学園にはこんな噂がある…。
学園の階段の踊り場の壁に掛けられた大きな姿見…その前に立つと、連れて行かれるらしい…鏡の向こうの世界に。
そして、入ったらあるらしい。今までに連れていかれた生徒達の亡骸が…所狭しと足元に…わっ!!」
私の目の前に居るこの人こそ、最近付き合い出した私の初めての彼氏…若。若の話に耳を傾けながら怖くなり耳を塞ごうにも塞げない、恐怖心が手を動かす事をも許してくれない。それ位に怖がっている私に若は、耳に近付いてベタな脅かし方をする。
主「ひゃあぁぁあああ!!!」
勿論の事、少し飛び上がる程にビクッと体跳ねさせてしまう。
日吉「毎回毎回飽きもせずに、本当に面白い位に驚くな…お前は。」
*今、俺の目の前で俺の話にこれでもかと驚いて目を潤ませてるコイツは最近やっと付き合えた、俺がずっと片思いしてた俺の彼女…○○。素直に驚き本当に怖がりな○○が可愛過ぎて、つい意地悪をしてしまうが…それでも好きだと言ってくれる事を思えば、きっと俺の考えも気付いてるんだろうな。
主「若酷いよ~、スッゴく怖かったー!」
怖いのに何故か聞いちゃうのは、好奇心?それとも若の話だから?…考える必要なんか無いよね、後者に決まってる。そんな事考えながらも若を見て潤む目を擦る。
若「そうか、こんなので怖いなら…他の話をするのも楽しみだな。」
主「え゛…まだあるのー?私のメンタルが段々弱まってきてるのは気のせいかな?」
本当に意地悪な若、でも…それも含めて全部を好きになったから…怖いけど辛くは無いの。
*こんな風に苛めたい訳じゃない、でも…お前の泣く顔が余りにも可愛すぎて…つい、意地悪してしまう。お前の泣き顔も笑ってる顔も…全部を俺の物にしておきたくて。
日吉「こんなので弱るのか?柔なメンタルだな、ちょっとこっち来いよ。」
相変わらずにからかいながら片手広げて待ってくれている若、行かない理由なんて無いよね?
主「ん…」
一つ頷いて若に抱きついた。
日吉「俺以外に苛められるなよ?」
主「何で?」
若の言葉が不思議で首を傾げて問い掛ける。
日吉「お前を苛められるのは俺だけだからな…あ、いや…その、なんだ?お前は俺の物なんだから…当然の事だろ。」
トピック検索 |