朔夜 2014-07-15 07:37:49 |
通報 |
【夢の華(Ⅰ】観月はじめ/テニスの王子様
観月「貴女の事が好きになってしまいました…」
その一言で壊れ始まった私達の関係、誰にも言えない…隠さなければならない哀しくも儚い私達の恋。
主「…はい、皆。出席取るから静かにしてねーっ」
*貴女はいつも明るくて、いつも真っ直ぐに僕達を見ている。その瞳に吸い込まれそうで、貴女が何よりも愛おしくて…あの時僕は一線を越えてしまいました。
主「…観月君」
彼の姿は私がこのクラスを受け持つ前から見てた、とても綺麗で…繊細で。だけどちょっと危なっかしくって、気付けば目を逸らせなくなってた…そんな君の名を呼ぶ時はやっぱり何処か苦しくて。
観月「はい」
*あの時僕が好きと言わなければ、貴女はそんなに苦しまなかったのですか?僕の名を呼ぶ時、少し下がる眉泣きそうになる瞳…貴女の全ての表情を笑顔である様に。願うも叶う事は無い…僕はまだ子供で、愛する貴女に守られてばかりいる。
----。授業も終わり、放課後になった頃。私は誰も居ない教室で君の姿を見ていた、テニスコートで仲間と楽しげに話している君…回りには気負い無く君に近付ける女生徒達。
主「良いな…」
思わず零れた自分の言葉に慌てて蓋をする様に手で口を塞ぐ。
観月「僕のデータが正しければ…」
*貴女はきっと今も其処から…僕を見つめてくれているんでしょうね?気付いていない訳じゃありません、大人なのに可愛らしい貴女。貴女の気持ちを試したくて、二人きりの時に寂しかったと言って欲しいから…。
赤澤「ん?どうした観月」
観月「いいえ、何でもありませんよ」
髪を弄るのが癖の君、何度も見た仕草の筈なのに…いつも君が輝いて見える。何でか分かる?教師としての立場上、絶対あってはならない事…生徒に恋をする事。その禁忌を犯した、あの時私が返事をしなければ…君に苦しい思いをさせずに済んだのに。
主「大好き…」
*貴女が見せる笑顔、僕達生徒皆に向けてのものだと思えば思う程…僕には苦しいもので。貴女の全ての表情を独占したい、そんな事出来る訳も無いのに思ってしまうんです…。貴女に恋をしたあの日、貴女に好きと告げたあの日…僕は罪を犯した。
観月「赤澤部長、少し空けます」
*言うが早いか僕は貴女に会えるという確信を持ち期待半分、不安半分の複雑な気持ちを抱きながら貴女が居るであろう教室へと向かった。
トピック検索 |