主 2014-06-09 21:58:16 |
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>逢見さま
ーー鈴の…逢見、さま。
(今夜は御客の呼び出しもなく些か退屈な思いをしていたため手の空いた者に車椅子を出してもらい庭へと赴いていて。長い年月の間当たり続けていた夜風が今となっては何だか懐かしさすら感じ、心地よさそうに目を細めながら車輪を回せば雲に覆われた夜空に目をやる相手を見つけ。風に微かに揺れる鈴の音から何とか彼の名を思い出し口にすればその傍まで車椅子を移動させ、空と相手とを何度か交互に見つめたあとそっと空を指差せば「…つき、そんなに好き?」などと問い掛けを口にして。)
(/初めまして、>71より参加しました雪洞ともうします!早速絡ませて頂きました。あまりペースが早い方ではありませんがどうぞよろしくお願いいたします。)
>五十川さま
…?じゃあ、雪洞は嫌いじゃないのか…?
(月人の中には人間と血を分けた者も多くいるが生憎自身は"人"ではなく、その言葉の流れから普通はそういった意味ではないと察せそうなものをあくまで自分は妖怪であるという認識から相手の言葉の意味を取り違えてしまい、不思議そうに何度か瞬きをしてから緩く首を傾げると困惑の色の滲んだ声を漏らして。名前を覚えない"人"は嫌いでも"妖怪"は別、という意味で彼の言葉を受け取ってしまった以上流石にこのまま忘れたままでいることに罪悪感を感じたのか紅に彩られた唇にかりかりと爪を立てながら暫し思案するように沈黙を置くと漸く頭の片隅から正しい名を呼び出すことが出来たのか合っているか若干不安、といった雰囲気ながら「…五十川、さま?」と尋ねてみて。)
>朔
…すごい、折れなかった…。
(頬に触れた手は温かく生を強く感じることが出来、抱えられ空き部屋へと向かう中彼とは対照的に生を感じない冷たい己の両手をどこか寂しげに握り締めて。部屋に着くなりまるで相手の腕を細枝扱いしたような言葉を口にするものの手厚い待遇を敷いてくれる相手に多少なり好感を抱いたのか膝掛けの質感を楽しむように表面をさらりと撫でてから彼の問い掛けの中心となるお抱えの日本人形を両手で前に掲げると、その絹糸を集めたような滑らかな黒髪を揺らしてやりながらどことなく楽しげに目を細め。「…初めて取った御客にもらって、それから一緒。」もう名はおろか顔すらも覚えていない初めの御客にもらった人形に強い愛着を抱いているのか、掲げた腕を引き人形を胸に抱くと僅かに口角を上げながらぽつぽつと語り始めて。)
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