[NL]魔王様と私。

(/また何かありましたらいつでも仰ってくださいませ。ではドロン！)

伝わったなら良かったよ。お兄さん日本に来てまだ日が浅いの？(説明が伝わったようで安堵して笑みを浮かべ、首を傾げながら問い掛けて。「えっ…それ何かのギャグ？」相手の発言に唖然とするも、努めて冷静に振る舞えば引きつった笑みを浮かべながら首を傾げ)

お兄さん!?お前俺に向かってお兄さんとは…ていうかニホン…?(次々に出てくる理解不能な言葉に改めて己は今異世界に居るんだと納得させられ「お前こそ俺を馬鹿にしているのか?」腕を組めばじっと相手を睨みつけるように見つめて)

…え、お兄さんに見えて実はオジサンだったの？そうだよ、日本。知らなかったの？(相手の様子からするとお兄さんは違うらしいのでオジサンと呼んでみて。疑問系で返されれば頷き、更に問い掛けては「…本気で言ってるの？警察呼ぼうか？」金を払う気がないならばと忠告して)

いや別におじさんって訳でもないが…しるかそんなもん(おじさん呼ばわりされると首をふりそんな名前の場所は知らないと前記を述べ。「第一なぜ俺が金など払わなきゃいけないんだ」警察を呼ぼうとする相手にぎょっとするもしょうがなくポケットから自分の世界の通貨をだして)

じゃあやっぱりお兄さん？日本知らないなんてお兄さんどこの人？(オジサンを否定されればお兄さん呼びに直し、日本を知らないという相手に驚いて。「日本のお店で商品が欲しかったらお金払わなきゃいけないんだよ。…って、これどこのお金？うちでは日本円しか使えないんだけど」不満を口にする相手に説明すれば、見た事もない通貨にきょとんとして)

お兄さんでもおじさんでもない、俺は魔王だ(キリッとした潔い顔つきで堂々と相手にそう述べると腕を組み。「んなこと俺がしるか…日本円?なんだそれは…聞いたことないぞ?」相手に渡した通貨は結構高額なのに不満そうな相手をみては日本円など知らないと言って)

魔…王……？(ぽかんとした表情で相手を見つめ。「…貴方本当にどこから来たの？大丈夫？家はどこ？」日本にいてしかも日本語ペラペラなのに日本円を知らないと言う相手に見知らぬ通貨を返しながら心配そうな瞳を向けて)

そうだ、世界をこの手で支配すべくアレクシス大魔王だぞ(本当のことをいうのだがどうも厨二にしか聞こえないとは己は知らず、何故か心配してくる相手に「俺はいわば異世界?から来た、そこに俺の城があるのだが気が付けばこんな訳の分からん所に居た」こっちの人から見れば己の世界は異世界に値するのかと思い前記を述べれば通貨を受け取り)

へ、へぇ…それは凄い、ですね…(これが噂に聞く厨二病かと引きつった笑みを浮かべ。「異世界…。随分遠い所から来たんだね。…ちゃんと帰れるよね？」相手の言う事が信じられる訳もないが話を合わせて。この人本当に大丈夫かと心配になり、無事に家まで帰れるか尋ね)

だろ?世界を手に収めた男だからな俺は(腰に手を当てれば高々に笑いながらそう述べて「実はどうやって帰るのかも分からなくてな、誰かに聞こうとここへ来たってわけ」今いる場所を指させばどうやって帰るんだろう、と相手に問いかけ)

…魔王様ってくらいだし、魔法なんか使えちゃったりするの？(この人頭大丈夫だろうかなんて失礼な事を考えながら興味深そうに問い掛けて。「え、じゃあ迷子？交番行く？…って警察のお世話になるのは嫌なんだっけ？」異世界への帰り方など分かる筈もなく答える事ができなければ交番に連れていこうか悩み)

まぁ使えるが此処で使ったらこの場所吹っ飛ぶぞ(割と本気で言っているのか真面目そうな顔でそう言えば人差し指を立て、すると黒く螺旋状に回る小さな魔法を見せると、これでここ吹っ飛ぶんだぜ?と若干自慢げにそう語り「迷子…人を子供扱いするな」大体己だって帰り方がわからないのに警察なんかに聞いてわかるものかと不機嫌そうな顔をするも何かを閃いたような顔で相手を指差し「おいお前、お前のところに暫く世話になるぞ」どうせ家もないしいいや、と適当にそんな事を述べて)

…えっ、本当に魔法使えるの！？何か種があるんだよね！？(魔法を見せられ驚き目を見開いては何か仕掛けがあるんじゃないかと凝視して。「だって帰り方わかんないんでしょ？私もう上がりの時間だから…ってちょっ、うち来るの！？」子供扱いを嫌がる相手に首を傾げ、時計をチラ見しそろそろバイト終了の時刻だなぁなんて考えていれば突然の居候宣言に慌てて)

種?そんなのある訳無いだろ…(本当に信じてはくれないのかと小さくため息を付けば「触ってみるか?指飛ぶけど」シリアスな顔つきで種があるのかと疑う相手に言って。「別にいいだろ?魔王を家に上げるんだから誇りに思えって」こちらの世界では魔王は決して他人の家などには上がらずなのでよかったな、なんてもうすでに行く気満々な様子)

種ないんだ…(まじまじと見ながら漸く信じては少し感動して、続いて言われた言葉に「うぇっ！？いい、いい！遠慮しておく！」と思わず変な声を出し慌てて手と首をぶんぶん振って。「いや、全っ然誇らしくないんですけど…、まぁいいか…。丁度バイト終わる時間だし、帰りの支度するからちょっと待ってて！」呆れ顔で否定するも、あまり害はなさそうだと判断すれば諦めて家に招く事に決め)

ん、そう言えばお前名はなんだ?(すっと魔法をしまえば帰りの支度をすると言った相手に短く返事を返し、名前を聞いておかないと何かあった時に困ると思ったのか相手の名前を訪ねつつも「俺はアレクシスだ」と己も軽く自己紹介を済ませて)

りょう。五十嵐りょうだよ(名前を問われて名を名乗り。「あれくしす…難しい名前だね」相手の名前を確かめるようにたどたどしく呟けば難しそうな顔をして。互いの自己紹介を済ませれば奥へ引っ込み、着替えなど帰り支度を済ませて戻って来れば「さ、行こっか」と微笑み)

りょう…か覚えておいてやる(自分から聞いておいて何故か偉そうにそう言うと「難しいか?簡単だと思うが」こてりと首かしげながらも何度も己の名前をつぶやく相手を見て。暫く待って相手が来れば黙って頷き、「そういえばりょうの家はどれくらいなんだ?」己のいた世界のように大きい屋敷なのかと思いそんな事を聞いてみて)

あはは、覚えておいてくださいまし(偉そうな相手に苦笑を浮かべては「日本人には難しいんだよ。慣れない発音だもん」と説明をして。家がどれくらいの大きさかと尋ねられれば「期待しない方がいいよ。綺麗だけど小さいアパートだから」と店を出ながら眉下げつつ笑って)

りょう…りょう…(小さな声で何度も覚えるために呟いて、「そうか?他のやつらはアレックスとか色々あだ名をつけているがそんなに呼びにくいのか?」すこし不思議に思えば首傾げ。「あぱーと…?」よくわからない単語に少々混乱気味だが見ればわかるかも知れないと深入りはせず)