ふふ、上がっとるなんて(夜風が頬を撫で肌寒さを実感した頃、ふと揺れる見覚えある暖簾が。懐かしさに思わず頬を綻ばせるや指折り程度訪れた店へ顔を覗かせ。人影の見えぬ静寂な中に小首を傾げつつも下駄を鳴らして足を踏み入れ)