ー鬼ごっこー

_____side


僕は気付いたら真っ暗な闇の中に居た。

自分の身体も見えない真っ暗な闇。

それでも怖くなかった。夢だと思っていたから。


“＿サン＿＿ラ＿ノ＿ル＿＿＿…"


子供の様な少女の様な鈴を転がしたような澄んだ声。

その声が聞こえる方へと足を進める。

途中で何かを踏んずけて転んだ。不思議と痛みは無い。

持ち上げてみるとそれは人間の_____手。

血のように真っ赤な手が落ちている。それも腕だけ。

断面を想像して込み上げる吐き気に手を放り投げる。

その為に僕は気付けなかった。

足に絡み付く無数の影に。

そして僕の意識は途絶えた。

意識が途絶える前に聞いた声は何だったのだろう…。


“鬼サン此方 手ノ鳴ル方ヘ"


_____ side end.


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