ぬし。 2013-11-19 20:06:41 |
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俺の何処が御前より手掛るってんだよ、何処が。(其れは聞き捨てならない言葉で、先程まで笑みを浮かべていた顔が段々と引き攣っていくのが自分でも分かる。確かに冗談に付き合ってもらったりと面倒を掛けていない訳では無いが己だって中学時代から先輩として何かしらやってきた筈だ、というのは完全に先輩としてのプライドが相手の言葉を許していないだけなのだが。「は?此れで其の気になる奴が何処にいんだよ。」女性か、と残念に思う己が居る。今己の瞳に映っている奴が其の気になれば良いのに、何て出掛かった言葉を呑み込んで何処か切なげに見える表情の相手をじ、と見詰めていれば口から零れる盛大な溜め息と言葉に不思議そうに首を傾げる。突然闇に覆われた視界、思わず声が零れるが伝わる温度から相手の手と判断し抵抗はせず。「おい、リュ....分かる訳ねだろ。手、退けろって。何も見えね。」聞き慣れない言葉が耳に入れば当然返答等出来ず次を待つが暫く何も発しない事を不思議に思っては相手の名前を口にしようと、然し其れを遮る様に投げ掛けられた問いに当然の事の様に返答を。表情を見れば意味の分からない言葉もある程度良い事か悪い事かは判断出来るのだが今は其れがしたくても出来ない状況で、目を覆っている相手の手を軽く叩けば後者を述べて。)
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