パピ子 2013-10-26 20:03:44 |
通報 |
(エレン)
……も、もう目開けていいぞ。
(最初は不安そうだった物の、目を閉じてくれた相手を確認すればおずおずとポケットから取り出したのは小さなハートのついたペンダント。我ながらなんて恥ずかしい物を。買ったときの恥ずかしさを思い出しながら、相手の後ろに回ればそれを首に回し、慣れない手つきながらもなんとかつけてやり。相手の正面に戻りその様子を見れば思わず笑みを浮かべてしまうも、それを隠すように口元を手で覆いながら声をかけて)
(ミカサ)
……え、エレン……これ…。
(突如首に感じた冷たい金属の感触。ビクッと肩を震わせるも、エレンなら怖くはない。一体何をしているのだろうか、気になり目を開けたい衝動に駆られるも相手の言いつけを守り目を閉じていれば、ようやくかかった声にゆっくりと目をあけて。まずまっさきに目に入ったのは何処か顔の赤い相手。その相手の目線を追うように己の首元、胸のあたりに目をやれば、そこには月の光でキラキラと輝く可愛らしいペンダント。思わず思考停止してしまいながら、恐る恐る、震える手を抑えそれに手を伸ばす。なんでこんな物を。嬉しい、申し訳ない、お金はどこから、何故。いろいろな事を思い混乱しつつ相手を見つめ)
(エレン)
…お前、今日誕生日だろ。自分の誕生日くらい覚えとけよ…。
(相手の様子をじっと見るも、これは、喜んでいる…のだろうか。戸惑っているようにしか見えないが、気に入らなかったのだろうか。アルミンに助言をもらったが、いや、似合っているのは良いのだが似合う似合わない別にしてミカサが気に入る物を買った方がよかったのでは。そんな事を思いながら相手を見ていれば、こちらに視線を向けてくる相手。自分から切り出すのも恥ずかしい物だが、恥ずかしさを紛らわすかの如く頬をかきながら上記を述べ。「…気に入らなかったか?」こういう事は聞くものではないのかもしれないが、思わず口に出てしまった言葉。)
(ミカサ)
…あ、今日、私の…。…じゃあ、これは…。
(誕生日プレゼント。気付くのが遅すぎた。エレンが私のために、誕生日を祝ってくれた。じわりと視界がにじむ。嬉しくて嬉しくて、こんな女の子らしい物をもらえるとは思ってもなくて。泣き顔を隠そうとマフラーを探すも、それも今は相手の手の中。続けて聞こえた相手の問いには、思わず流れた涙を拭いながら、口元に笑みを浮かべ「ううん、そんな事ない。…とても、…とても嬉しい。本当に…ありがとう、エレン…。」言葉を連ねる度に静かに伝う涙。グスグスと鼻も鳴らしている己の姿はみっともないかもしれない。「…でも、なんでこんな、…女らしい物…」自分には似合わないとでもいいたげに、何処か物悲しい雰囲気を出しつつそっとペンダントに触れて)
(エレン)
お、おい、泣くなよ!……それくらいで泣くんじゃねぇよ…。
(一瞬見えた相手の笑みに、思わずドキリと心臓が高鳴る。なんだこれ、なんだこれ。心臓を抑え、赤い顔を軽くたたきつつ脳内で問いかけるも、答えが返ってくるわけがなく。ありがとう、ありがとうと涙を見せる相手には一転あわてたように言葉を連ねつつ、どうしたものかと。マフラーを巻こうか、そう思うも、もう少しこの様子を見ていたい。そう思えばマフラーは己の腕にかけ、ポンポンと相手の頭を撫でてやり。次の相手の言葉には相手の言いたい事を察したのか、あー、なんて声をあげて。正直に言えるはずがない。…無いのだが、言わないわけにもいかない。「…お、お前も女なんだ……十分似合ってる。」ポツリ、呟くような言葉。もう鏡を見なくてもわかる。顔が熱い。)
トピック検索 |