▽ Straight　(nl)　▽

( 伊吹様、　有難う御座います。とても嬉しく感じますっ!
直すところなんて無いほど完璧ですね、素晴らしです!!
/此方こそ、これから宜しくお願いしますね!
今日は遅いのでもう落ちます、お休みなさい! )

（了解しました！自分も落ちます。お休みなさい！）

ありがとう、御座います。
(ﾌﾟﾘﾝﾄを受け取り終わった後に上記を言う、気持ちは和らいだものの、やはり恥ずかしいやら後ろめたいやらで心が落ち着かず下を向いてしまう。前にいた先輩は微笑んでくれたけど優しそうな人だったな…。不意に顔を上げれば先輩の後姿を見つめ、先輩はどんな人なんだろう。と少し気になっている様子でついつい委員会が始まっているにも関わらず話を全然聞いておらず、委員長になった人が「各自動いて下さい。」と言われると、「へ、何するの…?やばいよ-、全然聞いてなかった…。」とあたふたと席を立つも焦っている様で。

(/伊吹様、いらっしゃいましたらﾚｽお待ちしていますね-!!)

…大丈夫？もしかして、話聞いてなかった…とか？
（プリントを渡した後、ぼんやりと会が進んでいくのを眺める。委員長は2年の女子になり拍手を送る。それにしても後ろの後輩の女の子、大丈夫かな…気が少し弱いのだろうか、などと考えながら委員長のスピーチを聞き流す。今日は本の整理らしい。委員長の「各自動いて下さい。」という言葉を聞いてどこの本棚が一番崩れているだろうかと辺りを見渡せばプリントを渡した後輩が少しあたふたしている様に見え上記の言葉を掛ける。「今日は本の整理をするらしいよ。…やり方分かる？一緒に整理しようよ。」活動内容を告げつつ周りを見れば先輩が後輩に教えている姿が目に入り、つい一緒にやろうと言ってしまった。そんな事を言ってしまった恥ずかしさで顔を少し赤くしながら早口で「あ、でも、嫌だったら断って！」と言い。

（/レス返遅れてごめんなさい！）

あはは…、…はい。
(何と!まさかの先輩に見透かされてしまった。確かに話を聞いてもいなかったし分からない、でも、こんなにも早くﾊﾞﾚてしまうなんて、私、分かり易いのかも。しばらくして、先輩に上記を言えば先輩から視線を避けて俯く。怒られるかも、そうビクビクしていると優しい声が上からふわりと掛かる。一緒にやらないか?そう言われたときは耳を疑ってしまった。なんて優しい先輩だろう、顔を上げればｷﾗｷﾗとした瞳で先輩を見る、ふと、先輩の顔が赤くなる。どうしたのだろう…?と内心思っていると、私が迷惑していると思ってしまったのか、何故やら気を遣うような事を言わせてしまった。嫌なんて事ないのに、むしろ、大大大感謝をしたい程だ、｢嫌だなんて、此方こそ御願いします!!｣と元気良く言えば笑う。

( いえ、此方こそごめんなさい! 遅れてしまいました。

(上げますね-｡

じゃあ、こっちの棚から取り掛かろうか。
（元気よく笑ってくれた相手に内心ホッとしつつ微笑んで上記を述べ。話してみればどうやらこの子は予想に反して表情のコロコロ変わる面白い子だった様で話していてとても楽しい。でも、やはり聞いていなかったのかと彼女から見えない角度で苦笑する。一番本が乱雑に置かれている棚へ歩いていき。近づいてよく見れば本は適当に置かれていて少し顔をしかめてしまう。「最近、本が大事に扱われていないみたいなんだ…。もっと大事に扱ってもらえるといいな。」本棚の本を一冊手に取り表紙を優しく撫でながら困った様に笑いつつ、本の返却後棚に戻すのは生徒ではなく図書委員がやればいいのにと考え。そっと棚に本を戻せば相手の方へ向かってにっこりと笑ながら「早速整理に取り掛かろう！これは整理するのが大変そうだ。」と袖を捲りつつ言い。

はいっ!
(再度、頷いてﾆｺﾘと笑えば張り切った様子で本棚へと向かう、すると良く扱われていないのか本が重なっていたり、落ちそうになっていたり、はっきり言って酷い。本は私達の知恵を広げる大切な物なのに。こんな扱いなのは悲しすぎる、先輩もそうなのか、優しく本を撫でて本棚へ正しく戻していた。やっぱり先輩は優しい人、私と同じこと考えてるみたい、先輩が此方へ向き笑う、その言葉に苦笑いしながらも｢頑張りますよ､本は大切な物ですから。｣と言い本を手に取り直していく。

そうだね。本は沢山の事を知っているから。
（相手の言葉に嬉しそうに微笑みつつ自分も本を手に取り。自分の身長を利用して上の本を直していき。暫く無言で作業していたがふと思いついて「そう言えば、名前聞いてないね。何て言うの？あ、俺は伊吹嶺。嶺って呼んでいいからね。」と言い。それにしても埃が酷い。窓は全開のはずなのに棚に溜まった埃が舞い上がって目が痛いレベルだ。眼鏡にも付いて見えづらい。「埃拭く雑巾取って来るから、少し行ってくるね」と言い残し雑巾を取りに廊下へ歩き出し。

はい!私の知恵は、全部本ですから-!
(うんうん、と上下に頷きながら笑う、これは本当のこと、大体、頭の6割ぐらいが本から得た知恵だ、それからと言うものの仕事に集中し、無言になってしまえば、行きなり声を掛けられて少し驚くが、｢ぁ、私は、雪梨 智菜です、智菜で良いですよ、嶺先輩っ｣と、にこやかに応え。本棚へと目線を移せば彼方此方に見える埃が気になる、これじゃあ、本が可哀想、そう思っていると先輩が雑巾を取ってくると廊下に出てしまった、｢待ってください、私も行きます!!｣と、慌てて廊下に出て先輩の後に付いていく。

ん、分かった。智菜ちゃんね。
（嶺先輩なんて呼ばれたのは初めてで耳が赤くなったのを感じながらも相手に笑い返す。雑巾を取りに廊下へ歩き出した時後ろから慌ててくるのに気づき立ち止まって待つ。廊下の空気は埃が無くてとても息がしやすい。待つ間に深呼吸をすれば埃の多い所に居たせいか咳が出て。彼女は大丈夫だろうかと少し心配になり。追いついたのを見計らいゆっくりと歩き出し。「埃、酷かったね。廊下の空気が美味しく感じるよ」と苦笑しつつ雑巾を手に取る。

ふふ、有難う御座います。
(久し振りに男の人に名前で呼んでもらった、何時もは、家族や女の子の友達しか呼んでくれない名前。あんまり慣れていないからちょっと照れくさくなってしまった。廊下に出て新鮮な空気が吸える。埃塗れだった図書室から出る廊下は、なんか別の所に来たような感覚だった。先輩に近づくと咳をしていた、私は先輩に駆け寄って「大丈夫ですか?本当、埃が酷かったですもんね…。」と、心配そうに眉を顰めて苦笑いして。先輩、埃とか大丈夫なのかな…、ｱﾚﾙｷﾞｰとかじゃ、とあれこれ考えてしまう。

(昨日は落ちてしまって御免なさい!!)

大丈夫だよ。それより智菜ちゃんは大丈夫？
（駆け寄ってきてくれた相手に笑って大丈夫と答えるも、少し弱々しくなってしまったかもしれない。俺、すごくかっこ悪いな…と思いながら相手にも問いかける。心配してくれる人が居てくれるっていいな、なんて事をしみじみと感じていたらついつい「智菜ちゃんって優しくて可愛くて…なんというか、いいお嫁さんになれそうだね」と呟いてしまい。言った後に恥ずかしさが襲ってきて、照れ隠しと心配そうな相手の顔が安心出来ればいいと思い頭をぽんぽんと撫でて優しく微笑み。もう一度深呼吸をすると「早く行こう。埃まみれの本達が待ってるよ。」と言って雑巾を濡らし始め。

（いやいや、こちらこそあんな遅い時間までお相手していただき本当にありがとうございました！今日は明日の朝が早いので12時ぐらいまでしか居れません。それまで宜しくお願いします！）

はい、私は大丈夫です!
(心配そうな顔から変わり、笑顔に変わる。大丈夫、と言ってくれた先輩。心配してくれて嬉しいな、とその笑顔には含まれている。その後の先輩が言った言葉につい驚いてしまう。“いいお嫁さん”そう言われて恥ずかしく、私は俯いて照れてしまった。そんなこと言われるのが初めてで慣れていない。｢そ、そうですね。行きましょう!!｣撫でられた頭に少し赤くなってしまう、慌てて顔を上げれば上記を言い相手から離れて雑巾を濡らし本棚に行く。

(/いえいえそんなこと!!
分かりました、また寝落ちしてしまうかもですが宜しくです。)

そっか、よかった。
（笑顔に変わった相手を見て彼女には矢張り笑顔が似合うと思い頬が少し緩む。照れてしまったのを見て、やっぱり禁句だったかな…？なんて不安になりながら本棚の方へ行ってしまった相手を急いで追いかけながら「あ…！気を付けて！ちょっと足が当たっただけで本が崩れるからっ…！」と慌てて叫び。図書館の中は埃のせいか白く霞んで視界が悪い。入るのを少し躊躇っていると中のそこかしこから本の崩れる音が聞こえてきて、彼女を一人で行かせてはいけないと思い図書館の中へ突入する

はい、
(ﾆｺﾘとしながら再度頷く様にして先輩を見つめる。動揺してしまう、今日初めての人に言われるとやっぱり照れ恥ずかしいもの、ましてやいいお嫁さんだなんて、性に合わない。恥ずかしくて図書室に掛けてしまう、そして、拭こうとした瞬間、本棚の本が私へと上から崩れてくる、｢ぇ、ひゃっ…!｣と、身構えし倒れてくる本たちに目を瞑る。

(/すみません、やはり持ちませんでした…!)

…うぐっ…大丈夫？怪我とかしてない？
（図書館に入り埃のせいで涙が出そうになりながらも本棚にたどり着き。声をかけようと口を開けた時、今にも崩れそうな本が見えたため咄嗟に走り出すと案の定本が崩れてきて、彼女目掛けて落ちていくのが見え必死で駆け寄り、彼女を反対側の本棚に押し付けるように覆って壁となる。背中に複数の本の衝撃が来て見事に角が当たって行った数冊に呻き声が漏れ。「だから言ったじゃないか…って聞こえなかったよね」そっと体を離しつつ、安心した様な困ったような笑顔を浮かべて。

嶺先輩…!
(先輩の声が近くで聞こえてきて、咄嗟に目を開け名前を呼ぶ。その瞬間、先輩が私の体を本から守るように抱き私を庇った。そして、容赦なく降ってくる本が先輩の背中に落ちていく。そして、数冊の本が落ち終わった時、先輩が痛そうに体を起こし私に口を開いた。｢せんぱ、ぃ…ごめんな、さい…っ!｣私を庇ってせいで先輩が痛い目に遭ってしまった。そう思うと不思議に涙がぽろぽろ、と溢れてくる。

あぁ…ちょっ、泣かないで!君が無事ならそれでいいんだから…!
（泣き始めてしまった彼女を見てどうしていいか分からずオロオロしながら辺りを見渡す。焦ったような声で上記を述べつつふんわりと抱きしめると頭を緩く撫でる。自分の事を心配してくれたのか反省してくれたのかは分からないけれど、必死な後輩の姿に自然と頬が緩んで優しく微笑みながら「俺は、そんなに弱くないし、本も無事だし、君も無事。だから、大丈夫。心配しないで。」と言い。

でも、っ…!
(と、溢れてくる涙を拭いながら、私だけが痛くないのは可笑しいのに。とふるふる首を振る。すると、先輩が優しく抱き締めて私を宥めてくれた。先輩が優しく撫でてくれると、次第に少し落ち着いていく。｢…本当、ごめんなさいっ、｣涙目のまま顔を上げ謝ると、止まらない涙を落ち着かせようと、先輩から離れて俯きながら涙を再度拭う。