語り手 2013-09-29 20:27:33 |
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当たらずと雖も遠からず、って所。
(確かに雨宿りと言って仕舞えばそうだ、けれども己はある手鏡からの御告げにより此処へ来たと言う理由もある。そう、今日此の小屋の付近に居れば君に逢えると言う御告げ。流石に嵐が来るとは思っていなかったけど、もしこの事を彼女に伝えたならば彼女はどんな表情をするのだろうか…気にはなるものの其を言って仕舞えば御仕舞いだと口をつぐんだ。彼女の姿を見ぬ儘問いかけた己の質問に酷く混乱しているらしい、そんな気配を感じ筒も特に助け船等出さず彼女の答えを待った、すると掠れた声で名前を言う「、紅那。へぇ」微かに己の耳へと届いた名を復唱してはクスクスと笑いを零した。そして彼女の方を向く、前髪から覗く赤い瞳は怯えた彼女の姿を写し出した。笑ったのは名前が可笑しかったとか彼女の緊張で掠れた声が可笑しかったとかそんなんじゃなくて。…………嗚呼、教えてしまうんだね、名前。)
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