主 2013-08-25 16:32:45 |
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(深夜、あまり寝付けず、水でも飲もうと厨房にやって来た。眠れない理由は、考えずとも分かる。今朝やって来た、新しい執事のせいだ。顔は少しばかり整っているかもしれないが、冷ややかな笑みと口調は、とてもじゃないが、執事とは思えないものだった。更に面白くないことに、彼は、執事としてはとても有能だった。普段、一流のシェフの料理を食べているのに、彼の料理はそれ以上と言えるものだったし、気が利くので、自分が求める物を、常に先読みされているようだった。しかし、それでも、あの上から目線はどうにかならないものか。小さく溜息を吐きながら、コップに水を入れ、リビングへ戻ってきた。ソファへ腰掛けると、窓の外には、綺麗な月が出ている。それを眺めながら水を飲んでいると、どこからか、物音が聞こえた。何事か、と、誰か人を呼ぼうとしたけれど、普段家に居る使いたちは、新しい優秀な執事が来たことで、皆夜には帰ってしまった。あの男を呼ぶのは癪に障るので、仕方なく一人で確かめることにした。物音がしたのは、物置として使っている部屋だった。普段は鍵が掛かっているはずだが、試しにドアノブを回してみると、意外にもそれはすんなり開いてしまって。中へ入ると、照明はついておらず、ぼんやりと、月明かりだけが部屋を照らしていた。これまで入ったことがなかったが、物置と言うには、中はずいぶん整然としていた。暗闇に目が慣れてくると、奥の椅子に、人が座っているのが見えた。)あなた、何をしているの……!(驚くことに、そこに居たのは、執事の男で。月明かりに照らされた口元は、何かで汚れている。手にしているのは、緊急時の輸血パックだったように思う。あまりに現実離れした光景に、戸惑いと驚きで、頭が回らなくなってしまった。ただその場に硬直して、信じられないという顔で相手を見つめて。)
( 貴方が血の補給をしているところを目撃してしまったシーンからです! 説明も兼ねたので、随分長くなりましたが、普段はもう少し短くできます! )
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