石動 叶平 2013-08-24 17:54:53 |
通報 |
っ、....(突然開いた部屋のドア。誰だろう、と確認する為に後ろを振り向こうとしたが相手の声が聞こえては息をのんでそのままの姿勢を保つ。どうしてこの相手が来たんだ、今は余り会いたくないのに。そう考えていれば背中にかかる重みと柔軟剤の匂い。状況を理解するのに其れほど時間はかからず、どくどくと煩い心臓の音が耳に付けば、相手に聞こえてはいないか、と不安になる。
...何も、ねぇよ?(態と明るい声でそう答える。相手の優しさは時に残酷だ。これ程にまで己を締め付け狂わせる。悪いのは相手じゃない、この相手を愛してしまった己の自業自得なのだ。唯の教師と生徒なら躊躇いなく関係をぶち壊していただろう。だが相手は教師である以前に姉の婚約者。自分だけの問題ではないのだ。締め付けられる胸、だがこれ以上心配をかける訳にも行かない。「も、大丈夫だから。姉貴待ってるよ」ゆっくりと立ち上がり相手に笑顔でそう告げれば己は机に向かって勉強するフリをして
トピック検索 |