ナナシ。 2013-08-14 22:12:58 |
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<一条晴>
ゆーき、帰ろー!
(下校のチャイムが鳴ると同時に教室を飛び出し、廊下をダッシュで駆け抜ける。目指すは愛しい彼女のところ。1年の相手のクラスの前に着けばバーンッと教室の扉を開き、ずかずかと中へと入っていった。まだ下校のチャイムが鳴ってから数分も経っていないのに、他の生徒はどうやらもう下校済みらしい。これはラッキー、と1人黙々と机で作業をする彼女のもとへ駆け寄った。ニッコリと笑いながら上記を述べるも、どうやら彼女は委員会の仕事中らしい。先に帰っていいと言うが、此処は彼氏として手伝うしかないだろう。鞄を床に置き彼女と向かい合わせに座れば作業を始めた。)
<一之瀬雪>
―すみません、もう少しで終わります。
(教室の扉を勢いよく開く音と己の名前を呼ぶ彼。毎日続くともう驚くこともなくなった。今日は一緒に帰る約束をしていたが、運悪く委員会の仕事を頼まれてしまって。資料をホッチキスでとめながら上記を述べる。「先に帰っていていいですよ。」己の仕事のせいで彼を待たせるのは申し訳ない、と左記を述べた。が、彼が帰る気配はなく、己の向かいに腰を下ろしたではないか。思わずきょとんと彼を見つめると、資料を半分取り置いてあったホッチキスでパチンパチンととめだした。「わ、私がやります、先輩は帰っていてください。」さすがに悪いと資料を取り返そうと手を伸ばすと、其の手を彼が優しく掴んだ。「大丈夫、早く終わらせて一緒に帰ろ?」ヘラリと笑う彼にきゅん、と胸がしめつけられる。まったく、いつもヘラヘラしているくせに何で時々こういうことをするんだろう。「・・・ありがとう、ございます。」礼を述べれば残っている資料を終わらせてしまおうと作業をする手を早めて。)
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