ヌシヌシ 2013-07-18 22:32:03 |
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あら。..其れは申し訳御座いません。
( くすくすと肩を揺らして笑い乍、謝罪。丁寧な口調に柔らかい表情と声音。他の貴族の女性が惹かれるのも分からなくもない。然し一つ疑問が。何故、一国の王子ともあろう人が初対面の貴族の己に敬語を使っているのか。若しかしたら王女と言うのがバレているのかもしれない。が、その可能性はないに等しいだろう。こんな大国の王子が小さな国の王女なんか気に留める筈も無い。そんな事を考える事すら面倒になってきたので思考放棄。彼に手を引かれて会場外に出る。嗚呼、やはりあんな人の多い窮屈な場所より此方の方が気分が楽になる。王子の指差す方を一瞥して、笑顔で首肯。薔薇園、か。悪くない。余談だが薔薇は嫌いじゃない、寧ろ好きな方だ。不意に耳に入った王子の言葉に、耳を疑う。心からの言葉なんだろうか、思わず苦笑を零す。少し、驚いてしまった。 ) いえ、お気になさらず。――..客とはいえ、貴方様の様な方の御手を煩わせる訳にはいきませんから。
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