通りすがりさん 2013-06-08 18:19:09 |
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あの夜、偶々落ちた場所がお前の胸の中であったことが私にとってどれほどの幸運か。
耳触りのいい、嘘のない真っ直ぐな言葉。
息をするように髪を撫でる手。
戸を開く度に迎え入れる暖かい腕。
─唇を辿る指の感覚も、甘えるような噛み癖も、すっかり好きになってしまった。
好きだから、大切に想うからこそ、お前に会うのがなんだか怖いよ。愛に狂った悪魔が何を仕出かすか、解ッたもんじゃない。
ふふ、私はやはり臆病者だなァ。…道端で震えているから迎えに来てくれ、私の王子─否ァ、花婿殿。
心地のいいお前との日々が、少しでも永く続く事を願っている。
なァ、愛しているぞ。
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