黄瀬涼太 2013-05-04 23:31:46 |
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(誤魔化しが下手くそな彼、作り笑いの彼…どれも愛しいとおもう半面、何だか頭にキーンと耳鳴りが走る。まただ…と思ったもののそれは一時的な物で大したことは無い。自分は相手に積極的に抱きついた。サラサラした相手の髪の毛、鼻を掠める甘い匂い…心地よかったのだ。
自分でも分かった。拗ねているのだ、と。先程の口付けをあっさり無かった事にされ、何だか心の奥底がメラメラして中々治まってくれない。「…分かんねーヤツには教えねぇよ。ばーか」バサッと薄い毛布を被り相手に顔を見られぬよう隠して。この時の自分の顔は子供が駄々をこねている時の表情で彼が見た瞬間、明白になるだろうと己は確信を確かに持っていたのだった。黄瀬のその可愛らしい声で俺は何だかムラッと来てしまいブンブンと首を横に振ってみる。「…どーした?」と業と聞いてみる。当然、相手は照れながら必死に“青峰っちが!!”とか何とか言い喚くのだろうと予測した。黄瀬が己の頬に唇が触れた瞬間薄く目を見開いた。何だか口許が緩んでしまい、こんな感情は自分にも初めてで、珍しく照れながらも先程よりも強くぎゅっと抱き付き肩に自分の顔を埋めてみたりして。
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