moka 2013-05-03 01:34:14 |
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だが言ってしまったものはもう仕方が無い。それに、もうとめられない。
「あと汚い顔を私に近づかないで下さい、臭いので。」
へらり、と笑いながら淡々と言葉を紡ぐ私に流石に頭にきたのか、腕を掴んでいる不良の頬が引きつった。
「おい・・・調子にのんじゃねえぞっ!!」
__此れだから嫌だなあ、単細胞って。
振り下ろされる拳に瞳を細める。__殴られる。
ぎゅ、と瞳を閉じて痛みを待つも、何時まで経っても相手の拳が私の顔に当たらない。不思議に思って瞳をぱちりと開くと、いつの間にか私を殴ろうとした奴が倒れて伸びていて、変わりに長身の男が私に背を向けて立っていた。
___助けてくれた?というか、今の短時間でこの伸びてる奴を倒した?
状況を把握しきれずにポカンとする私を気にも留めず、長身の男は次々と不良共を倒して行き、ハッ、とすれば私の周りに立っているのは其の男だけになっていた。
暗くてよく顔が見えない。
「__あの、」
取りあえずお礼だけでも言っておこうと声を掛けると、男がゆっくりと私に顔を向けた。其の瞬間、私は思わず言葉を途切れさせた。
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