高槻 直 2013-03-23 20:43:49 |
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それは違うって、お前は悪くない。お前には神崎が居るの分かってんのに諦めきれなくて、勝手にへこんで暴走した俺が――……ッ、…瑠夏……。
(“俺のもの”、己が発した言葉を噛み締めるように反復する相手の可愛いさに思わず頬を緩めながら見つめていると、相手が座るベッドの上へと引っ張られ、そのまま隣へ腰を下ろし。持ち前の優しさや純粋さから相変わらず自分を責め続ける瑠夏。親友である彼に本来なら許されないだろう特別な感情を持ち、幸せそうな二人の仲を裂くような最低な事をしたのは俺なのに。瑠夏には全く非がない事を解って欲しくて、真顔で相手の腕を掴みながらつい熱く否定しようとするも、不意に頬へと触れてくる手にドキリと心臓が跳ね。彼の視線の先にあるものが己の唇だと気付けば、先程とは少し違った高鳴りを見せる。緊張の色が滲む声音で届けられたのは、“大好き”という飾らない素直な言葉で。言葉を返す間もなく相手の方から唇が重なれば、一瞬にして思考も言葉も途切れ、ただ愛しい想いだけが一気に溢れ出し。相手の後頭部に腕を回して引き寄せしっかりと抱き締め、想いを言葉で伝える代わりに今度は此方から相手の唇を柔かく挟み。角度を変えながら口づけを与え始める内に、相手を抱いたままゆっくりとベッドへ倒してしまっていて。唇を離し至近距離で相手を見つめる瞳は熱を帯び。「…ヤバい、お前が好き過ぎて」気の利いた台詞も見つからず、余裕の欠片もない事をただ吐き出し)
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