俺も桜木撫でるの好き。それと─…、(柔らかく笑んで。次いで何か言い掛けるも「……やっぱ何でもない」と少し照れたように視線そらし。マフラーについて楽しげに語る相手の横顔を温かな眼差しでただ見詰めていたが、相手によって無邪気に揺らされていた二人の手がやがて止まれば、何の気なしに発されただろうその一言にドキリとして。「…そういう事、無意識に言う桜木はずるいよな」と、何処か恨めしそうに見やり)