彪奈 2013-01-27 22:58:28 |
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今までの沈黙を破ったのは彼女のほうだった。
「私、もう帰るね」
「そっか」
「ばいばい」
「ん、ばいばい」
にこ、と笑顔を浮かべる相手に笑い返し軽く手を振った。
彼女の小さな背中を見つめた後、僕も家に帰っていった。
「あら遅かったじゃない」
「リンに会ったんだ」
「まぁ懐かしい」
「うん」
キッチンから顔を出す母さんと軽い会話を交わしてからご飯を食べ風呂に入りベットに寝転がった。
考えるのはリンのこと。
久しぶりにあったリンは大人びていて可愛いって印象は美しいって印象に変わって驚いた。
そういえば携帯番号知らないな。それもそうかほとんど話さなかったからな。なんてくだらないことも考えた。でも何より思ったのが、彼氏は居るのかな。てことだった。
恋愛感情はてっきりもう冷めているかと思ったけどそんなこと無くってそれどころかますます惹かれる一方だ。
「好きだなぁ…」
ぽつりと洩れた本音についつい笑ってしまう。自分の馬鹿らしさに呆れて笑った。
あれから毎日のように其処に通った。もしかしたらまたリンが居るんじゃないかって、また会いたいなって思って。
もしかしたら今日は居るかもと希望を持っていた。
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