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No.4
by ばるご 2013-01-27 19:32:57
「梟!!待て!!追うな!!」
激しい戦争の中では、敵を追う梟には雀の叫びは届かなかった。
「待て!!梟!!……っ!?」
油断していた。仲間を呼び戻すのに気を取られていた雀は、背後の敵に全く気が付いていなかった。雀の脇腹に深く刺さった小刀。その痛々しい傷口からは真っ赤な鮮血が流れていた。普段の雀ならば、この様なミスを犯したりなどしないのだが…今回は完全に気を抜いていた。
「クソ…!!」
雀は悔しそうに眉根を寄せ、小刀の刺さる脇腹を抱えて地面に倒れ込んだ。
「ふく…ろ……」
薄れ行く意識の中で仲間の姿を見た。