アヤノ 2012-12-28 19:05:34 |
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私も、頭の中の一番にシンタローがいるよ
( 少し肌寒い風が、紅潮した私の頬を撫でる。真剣な表情で、真っ直ぐと此方に向き直る彼が堪らなく眩しくて、無意識のうちに口から上記の台詞がこぼれた。ふと思い返せば、こんなに戸惑ったり悩んだりしたのも初めてだった。情緒が豊かになるにつれ彼への思いも増していき、高揚、恋慕、切なさ、たくさんの感情を知った。だから彼を通して初めて知った痛みも想いも、今となっては全てが愛しいんだ。 )
…はい
( 珍しく柔らかな笑みを称える彼に、私はコクリと頷き笑顔で手を取り上記を述べた。しばらくすると、少し遅れて湧き上がってきた羞恥心を悟られまいと私は顔を背け、「絶対幸せにするからね!」なんて言って彼の手を握りなおした。そして、彼と目を合わせないまま空いた手で屋上の扉をあけ、暗さを帯びてきた初秋の空を背にした。 )
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