モン雑ファミリー集まれ!2

モン雑ファミリー集まれ!2

ゼロ  2012-08-12 16:50:55 
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キャスフィが除外されてしまったので改めて造りました。
まあモン雑ファミリーの人じゃなくても良いですけど、皆でチャットを楽しみましょう!!
それでははじめ!!

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  • No.23760 by Green-eyed monster  2014-03-04 22:07:41 

Heart Carrier
前回のあらすじ
怪物に襲われる少年の前に突如現れた謎の少女。
彼女は光の刃で怪物を切り刻み、その中に囚われた人間をも救い出した。
そしてヒーローを名乗る彼女が言い放った言葉…
「僕は惑星ニーテルから来た宇宙人だ!」

第二話 星見の家へ

「そうなのか、なるほどぉ~」
「信じられない事だろうけどホントのこ…あれ?」
「どしたの?」
「…し、信じるのかい?そんな簡単に?」
あっさり納得した少年の様子に、かえって困惑する少女。
「だってさ、謎の怪物に襲われたり、あんな超人的な戦い見せられたり、クラスメイトが怪物の中から出てきたりした後だもん
全身に改造手術を施したサイボーグだの、パワードスーツを纏う戦士だの、超能力者だのって言われるよりも説得力あるって、宇宙人」
少年は常識を逸脱した出来事の連続で感覚が麻痺しているのかもしれない。
「それで宇宙人さんはどうしたの?
何か地球生活でお困り?」
「順応速いなぁ…まぁ、それが本題なんだけどね
この星には僕の帰る家がないんだ
だから良ければキミの家に一晩だけでも泊めてもらえないかな?」
「え?宇宙船とかは無いの?」
「僕は流れ星に乗せてもらってきたのさ
宇宙船は無いんだ、いずれは購入したいけどね」
メルヘンだかSFだかわからないセリフである。
「急にそんな事言われると困るなぁ…」
「いや、いきなり無理な事を言ってゴメン、断ってくれ
それじゃ」
少女は少年に笑顔を見せるとその場を去ろうとする。
「え、どこ行くの?」
「僕の心配は要らない、今日もまた空き地にあるあの意味不明な土管で夜を過ごすだけだからさ
住めば都というのかい?もう今日で五日目、慣れたものだよ、ハハハッ」
少年は不憫に思ったが、その痛ましさのあまり声を掛けられずにいると…

ぐぎゅるるうぅ~~
「………」
「君、おなか空いて……」
「いっ、今のは聞かなかった事にしてくれ!いいねッ!?」
勢いよく振り返った少女は、顔を赤くしていた。
「……な、何も、聞かなかった」
「と、当然さ、それでいいんだ
ちょっと失礼」
少女はなにやら取り出して口に放り込んだ。
ちなみにこの少女のコスチュームにはポケットなどはない。
どこから取り出したのか甚だミステリーであるが、それはつっこんではいけないところだ。
「何食べてるんだ?」
「……………草だよ」
「くさ!?」
「毒が無いなら食べられるからね」
「だ、ダメだ君、ヒーローがそんなの食べちゃ!俺そんなの見たくねえよ!
!?…近くでよく見たら髪に木の枝刺さってるし…ガチで家無い生活なんだ…」
「…あんまり言わないでくれ、僕だって気にしている」
「ご、ごめん!
やっぱり家に来なよ、ちゃんとしたご飯食べさせてあげるから」
「そう言われたらなら御言葉に甘えさせて頂こう
がっつくようだが、正直形振り構ってる余裕はあんまりないんでね」
「そんなの気にしないで!俺の恩人だぞ、遠慮しないでドンとこい!」
「ありがとう、感謝するよ」

「ところでさ、変身解除しないの?」
「変身?」
「うん?ほら、そのコスチュームの事だよ」
「ああ、これか!いや、これはキミが思っているようなものじゃない、着ているんだ」
「……もしかして、着替えるって事?」
「そうなんだよ」
「つまり、その格好のまま家に帰るって事か…」
「ゴメンね、この恰好が悪目立ちするのは痛いほどわかってるんだけど、他に着る物が無くて…」
「無いの!?」
「僕の星ではおかしな恰好ではないんだけどね」
「文化の違いか、宇宙だもんなぁ…」
「それにしても同じ服が二着だけとは、なんで僕の荷物はこんな事になってるんだろ…
出発前の事はよく思い出せないし、おかしいな…」
少女は小声で独り言ちた。
「ん?何か言った?」
「いや、べつになんでもないよ
それより、やっぱりキミといっしょに帰るのは止めておく
周りの人に見つからないようにキミの後をつけていくよ、これでいいかい?」
「……ごめんな、そんな事させちゃってさ」
「気にしないでくれよ、じゃあ道案内よろしく」

彼の家は二階建ての一軒家。表札には星見とある。
今更ながら少年は『星見望』である。
「もうすっかり暗い時間だったけど、あの子、無事に付いてこれてっかな?」
ドアに手を掛けながら振り向くと…
「うおおッ!いつの間にそんな近くに!?」
少女は望のすぐ後ろにいた。いつの間にか、右手には小さな鞄を提げている。
「はっははは!僕は素早さが自慢だからね」
「君って、そういうとこあるんだ…
はい、どうぞ」
ドアを開けて入るように促す。
「おじゃまします
キミ、ご家族は?」
「両親は共働きでさ、二人とも海外なんだ
高二の姉ちゃんはもう帰って来てる、ただいま~!」
「おかりゃ~、メシ食えるぜぇ~」
リビングの方から返事が返ってきた。
「悪いけど君ちょっとここで待ってて、説明してくるから
「うん、わかった」

「さっきメールした友達なんだけど」
「ああ、上げてやりなよ」
「姉ちゃん、その前にひとつ言っておく…
その子はヒーローだと思ったら宇宙人だった
な、何を言っているかわからねーと思うが…」
「あたしも何を言われたのかわからなかった」
「コスプレだとか電波だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ…!」
「もっと恐ろしい弟の妄想の片鱗を味わったぜ?」
この二人、なかなか楽しそうである。
「妄想じゃないよ、ヒーローなんだ、いやホント」
「そうかそうかwwあたしにも見してみろよww」
ドアガチャ…バタン!
「なあ望、姉ちゃんこんな事は言いたくないけど、 友達付き合いは考えた方がいいよ」
「信じてくれってば!夕方怪物騒ぎがあったろ?俺を助けてくれた正義の味方なんだって!
家が無くて困ってるって言うんだよ、恩返ししなくちゃダメだろ!?」
「………そうだな、望が嘘吐くなんて事はほとんどない、いや少し……あんまりないもんな、うん」
気持ちよく言い切れない程度にはあるらしい。
「じゃああの子、家に泊めていいんだ!?」
「ああ、そうしな」
「ありがとう姉ちゃん!伝えてくる!」
しかし、望の姉…星見叶(かなえ)は警戒していた。
もしもあのコスプレがおかしな事を企んでいるなら追い出してやる!
家を預かる者として、望の姉として、目を光らせてキッチリ見張ってやるぞ!…と。

第二話 星見の家へ 終

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