ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
通報 |
[第二話]大食らいな仲間
「ふー…」
ロビーに戻るエレベーターの中で深くため息をついた、
「俺もいよいよゴッドイーターか…」
先ほどの訓練でそれを改めて実感させられた。生物を斬る感触。引き金を引く感触。すべてが初体験だった。ゴッドイーターはアラガミを狩るのが仕事だが、逆に狩られる場合もある。実際、今まで狩られた人に悲しむ人々を何度も見てきた。今では俺も悲しまれる立場なんだな。
「ピンポーン」
どうやらエレベーターがロビーに着いたようだ。そしてエレベーターのドアが開いた。
「あ、お疲れ様ー」
そこには異様なパンを片手に持った少女がいた。
「ど、どうも…」
「君もブラッドの新入生…じゃなくて、候補生の人だよね?」
少女は言葉を続けた。
「まぁそうだけど」
「私は『ナナ』、『香月ナナ』です!同じく、ブラッドの新入りです!よろしくねー」
少女はそう言って軽く手を振った。
「よろしく、俺は神崎ナギサ」
とこちらも自己紹介をして返した。というか、なんだろう…なんというか、目のやり場に困る。胸は布を巻いただけ。下半身に履いているもの見るからにジーパンのような素材だがズボンというよりパンツと言った短さのもの。10cmもないと思う。要するに露出度が高い。
「ナナは訓練どうだった?」
「うーん…いまいちだったかなぁ…ナギサはどうだった?」
「なんか、いろいろと初めてな感触だった、特に生物を斬ったところとか。心の中ではあたふたしてたかも
「あっ、私も!良かったー、私だけじゃなかったんだー、似た者同士だねー!これからもよろしくね!」
と言うと、ナナは手に持ったパンを頬張り始めた。
「よく食べるね…」
「そうかな?これでもフツーだよ?」
「それが!?」
男の俺でもそんなに食べられないけど…
「それにさ、ゴッドイーターは食べるのが仕事だからこれも仕事の一貫みたいなものなんだよ!」
「いやゴッドイーターはアラガミを食べるんですが…」
「細かいことは気にしなーい!」
ナナが言うと、そのパンを一気に口に放り込んだ
「あ、そうだ!お近づきの印に…」
ナナが隣にある大きめの袋に手を突っ込んだ
「はい、どうぞ」
ナナがそう言って袋から何かを取り出すと先ほどの異様なパンがまた出てきた
「これは…?」
「お母さん直伝!ナナ特性のおでんパン!すっごく美味しいから食べてみてよー」
それは背割りのコッペパンにおでんの具材を挟んだものだった
「あ、ありがとう…」
おいしい?これが?そう思いながらそのパンを受け取った
「おっと、私そろそろ訓練の時間だから、行ってきまーす」
「いってらっしゃい」
「残したら、後で怒るからねー」
ナナはそう言って袋を持ってエレベーターに乗った
「…」
俺は暫くおでんパンを見ていた
「フランさん、いりま…」
「いりません」
トピック検索 |