ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
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[第三話]訓練
庭園で座っていたらいつの間にか寝ていた。時間も結構経っている。
「よっこら…」
そう言って立ち上がるとアナウンスが流れた。
「神崎ナギサ、神崎ナギサ、至急、オペレーターのフランのもとへ来てください」
聞き覚えのあるアナウンスだ。そう思いながら庭園を跡にした。
「どうかしたんですか?フランさん」
「『さん』付けはやめてください。あまり好きではありません」
「あ、そうなんですか?」
「はい。それより貴方の偏食因子が完全に定着しました。これから神機の訓練に入ります」
いよいよか…
「そこのエレベーターを使って訓練場に向かってください」
示されたエレベーターは先ほどのエレベーターと一緒だ。要するにこのエレベーターがここの移動方法か。俺は神機を持って示されたエレベーターに乗って訓練場に向かった。そこは神機を初めて手にした場所と似ていた。訓練の跡なんだろうか、小さな傷から大きな傷がところどころある。
「聞こえるか?」
そして場内にアナウンスが流れた。
「この声は…ジュリウスか?」
「そのとおりだ、これからお前の訓練のサポートをさせてもらう。早速、戦闘の訓練をする」
「よろしくお願いします」
「知っているだろうが、今、手にしているのは神機というアラガミを攻撃できる唯一の武器だ。訓練場にダミー用のアラガミを配置した。攻撃してみろ」
すると近くに固定砲台型のアラガミが生えてきた
「たぁっ!」
訓練ということで思い切り神機をダミーアラガミに振った。意外とリアルな感触。なるほど生物を斬る感触とはこういうものか。そう思いまながらダミーアラガミを切り続けていると、アラガミが倒れた。
「よし、次は銃形態での攻撃だ」
そう、神機は合計4つの形態に変形できる。まぁ、新型神機だけなんだが…その新型神機は適合する人間が少ない。自分が新型神機に適合できたあたり幸運だと思う。さて、その形態についてだが、まずは剣形態。先ほどのアラガミを倒した形態だ。これから使う銃形態はその名の通り、銃で攻撃することができる。
「神機の柄の部分に小さなスイッチがあるだろう、そこを押すと銃形態への変形が可能だ。また新しいアラガミを配置した。銃形態に変形させて攻撃をしてみろ」
神機の柄の部分…あぁ、あった。スイッチを見つけ出すと早速押してみた。すると『ガチャンガチャン』と機械的な音を立てて変形した。
「おぉ…これが銃形態…」
俺は感嘆の声を出しながら神機を眺めた。
「アラガミは…あれか…」
辺りを見回すとまた新たなアラガミがいた。アラガミを狙って引き金を引いてみるとドンと音を立て弾が飛び出した。弾はアラガミに命中した。続けて撃っていると、アラガミは倒れた。
「よくやった、今日の訓練は以上だ」
「え、これだけですか?」
「あぁ、まだ体を過度に動かしてはならない」
「そうですか…」
そう呟きながら、訓練場を後にした。
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