ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
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ゼクのアドバイスを活かして書いてみる
[第二話]フライヤ
あの適合試験から数時間が経った。体ももう大丈夫だし右手首の腕輪も馴染んでる。
俺は自室から出るとロビーに出た。
ここは移動式要塞『フライヤ』内部から見たら大規模な研究所のようだが、外部から見れば要塞そのものだ。しばらくすると場内アナウンスが流れた。
「神崎ナギサ、神崎ナギサ、至急、オペレーターのフランのもとに来てください」
俺か。まぁ、適合試験のあとだから何か言われるんだろう。そして俺はオペレーターがいるカウンターのもとへ向かった
「『ゴッドイーター』ならびに『ブラッド』の適合試験、お疲れ様でした。私はオペレーターのフランと申します。以後よろしくお願いします」
「あ、よろしくお願いします…」
パッと見金髪美人。相手が美人だとどうしてもかしこまってしまう。
「まず、貴方は適合試験をクリアしました…よってこれから私は貴方の『ブラッド候補生』としての日々を全力で支えていければと思います…よろしくお願いいたしますね」
「はい…あ、そうだ、訓練などはまだなんでしょうか?」
「貴方の偏食因子はまだ定着していません、定着するまで過度な運動は控えることになっています」
「そうなんですか…」
右腕は馴染んでいる気がするのだが、まだなんだろうか。
「それまではフライアのなか…そうですね…『庭園』あたりでゆっくりなさってはどうでしょうか?そこのエレベーターから行けることができます」
「『庭園』ですか…落ち着いてそうなところだし、早速行ってみます」
そう言って、フランが言ったエレベーターに乗って庭園へ向かった。そこはその名の通り「庭園」だった。視界に広がる景色は花畑、その奥に木に腰掛けた男がいた。
「あぁ…適合試験、お疲れさま。無事終わって何よりだ」
「ど、どうも…」
「まぁ、座るといい」
男はそう言って自分の隣をポンポンと叩いた。
「失礼します…」
「ここは『フライヤ』の中でも、一番落ち着く場所なんだ。暇があると、ずっとここでボーッとしている…」
「綺麗な場所ですね。なんというか、ここだけ別世界みたいな…」
「あぁ、すごく気に入ってる。…そういえば、まだ名乗っていなかったな。俺は『ジュリウス・ヴィスコンティ』これからお前が配属される極地化技術開発局『ブラッド』の隊長を務めている」
「あ、自分はかんざ…」
「神崎ナギサだろう?お前の適合試験、ラケル先生と一緒に見ていた」
「あ、そうなんですか?」
そういえばアナウンスのラケル先生の声と一緒に微かに男の声が聞こえていた。
「あまり恐縮しなくていい。敬語もいいから。これから、よろしく頼む」
「あ、よろしくお願いします」
「さて…」
ジュリウスは立ち上がった。
「休んだあとで『フライア』をゆっくり見て回るといい、また後で会おう」
そう言ってジュリウスは庭園から出て行った。
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