モン雑ファミリー集まれ!2

モン雑ファミリー集まれ!2

ゼロ  2012-08-12 16:50:55 
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キャスフィが除外されてしまったので改めて造りました。
まあモン雑ファミリーの人じゃなくても良いですけど、皆でチャットを楽しみましょう!!
それでははじめ!!

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  • No.23251 by Green-eyed monster  2014-01-12 16:07:04 

ブラッドクロス外伝
第二話 意識の海へ潜行せよ

賢者の海
遥か太古の時代、賢者達が持てる叡智の全てを、意識の集合体として後世に遺したという。
時の流れと共に、この海には新たな知識が注ぎ足され、膨大な量の情報が詰まっている。
ここには失われた時代の記憶も眠っているのだ。

地下にある賢者の海の上には、ドーム状の館が三棟建設されている。
そのうちの一つが海を管理している。
用事のあるガラージと別れ、一人で図書館のゲートをくぐる。
「賢者の海に入りたいんだけど」
カウンターの係員さんにそう伝える。
「では、こちらの書類にサインをお願いします
簡単に要約するとですね
賢者の海で精神障害をきたした場合は自己責任です、って内容の同意書です」
「せっ、精神障害ィ~!?」
「大丈夫ですよ、不安定な領域に近付くとか地下五階より下に行くとか、そのような事をしなければ」
おそるおそる書類に署名する。
「はい、ありがとうございます
一般の方のダイブは安全のため、二時間までです
何らかのトラブルで、それまでに離脱出来ない場合はこちらのベルを鳴らして下さいね」
係員さんの後についてカウンター奥のエレベーターに乗った。

エレベーターのドアが開いた。
整備された無機質な陸地と、濁った『青』の暗い海が広がっていた。
「あら、貴方はクラスメイトの」
時間を少しずらして来たのに、まさか…
声が聞こえた方向を向くとやはりアヴィス。
「確か名前は…きゅうりだかキウイだかだっけ?」
「キュリオ!キュリオ・メルクリルだ
野菜でもフルーツでもねえッ!」
「ああそんな名前だった
それにしてもこんな所に来るなんて、顔に似合わず学術に熱心だったのね」
「ヘッ!悪かったな
顔に違わずガクジュツ目的じゃねぇよ、人探しだ」
ったく、さっきから失礼な女だぜ。
そんな会話をしている間に係員さんは戻っていったようだ。
「奇遇ね、私も人を探してるの
ところで貴方ここは初めて?」
「ああ」
「やっぱり初心者か
危ないから私の後について行動なさい」
そう言ってアヴィスはおもむろに海に飛び込む。
水面は飛沫を上げる事はなく、トプンと静かにアヴィスを飲み込んだ。
「色々怪しい女だが、俺は海の事よく分からないし、ここはついていくのが得策か?」
後を追って俺も飛び込もうとすると、別の係員さんに呼び止められた。
「そこの人!そんなとこから入ったら危険です!
あっちの階段から入って下さい」
マジかよ…アイツ大丈夫か?

階段から海の中に入っていく。
海とは言うものの、スライムと空気の中間みたいな感じ、服も濡れないし息も出来るようだ。
抵抗や圧力もほとんど感じない。
上から見た時とは違って、中は澄んでいて視界良好。
普通に床があって、たくさんの本棚がキチッと並び、図書館が水没したようにしか見えない。
本棚の間を確認しながら進み、アヴィスを発見した。
「遅いじゃない、何してたのよ!」
フキゲンなご様子だがこっちも言う事がある。
「お前こそ飛び込むなんて調子に乗りやがって!
階段使えよ、廃人になっちまいてーのかッ!」
「階段~?そんなのあったのぉ?
初めてだから知らなかったわ」
「オイオイオイ、なんなんだァ~この女!
訳知り顔しといてお前こそド素人じゃあねーか!」

「ちなみに誰を探してるの?」
「うちのクラスのアルメリィ・オリアート」
「すごい偶然!私もよ
貴方も何かやられて?」
「なんもやられてないよ、ただ気になって来ただけで
お前の方は実際のところどうなんだ?」
「浅からぬ因縁…あれは忘れもしない一年生最後の模擬戦闘…」
「あーはいはい、その話はもういいよ
オリアートさんを見つければ真相も分かるな」
「本当の事なのに、みーんな真面目に聞いてくれない…」
すねちゃったみたいだけど、五秒で決着なんてあり得ないね。
もし本当ならめちゃくちゃ有名なはずだしな。

一階にはどうやらオリアートさんはいないようなので、二階に降りる事になった。
「お前さ、もしかして闇雲に探し回ってんのか?」
「そうよ、でも手掛かり無しは思ったより難儀ね」
「ハァー…こりゃため息も出ようもんだぜ」
「ちょっと訊いてみよ、すいません、そこの人ー」
初老の男性に聞き込みを開始するアヴィス。
そういやオリアートさんてどんな容姿なんだろう?
「人を探してるんですけど、
髪は長くて紫色、かったるそーな感じで、見るからに愛想の無いアルメリィ・オリアート、あっ性別は女なんだけど、知ってる?」
おいおい、半分は悪口言ってるだけじゃねぇか…
「深く潜ってる人の間ではそういう女の子を見たって噂があるようだが…
もしかしたら違うかも…
実はここに来る人達はみんな、自分の用のある階以外の事は詳しくないんだ
それに自分の作業に集中するから他人の事はわからない
すまないね、お嬢さん」
「ふ~ん、そうなの、気にしなくていいわ、ありがとう」

二階での聞き込みでは有力な情報は掴めなかった。
という訳で三階に降りた。
「しかし妙な構造だよな
階段って普通一ヶ所にあるだろ?
なんでここは階段がバラバラな所にあるんだろ?」
「私もよく知らないけど、ここは意識の海みたいなもんでしょ
だからきっと賢者が気まぐれなのよ」
「なるほど、なんか説得力あるな」
そんな気まぐれフィールドを苦労して四階まで制覇した俺達。
しかしオリアートさんはまだ見つからない。
立ち入り許可されている中で、残すは五階だけ。
「そもそも今本当にオリアートさんは潜ってんのか?
これでいなかった無駄骨だぜ」
「私はラシウス先生の言う事信じるわ
ここに来れば会えると言われたんだから、それはつまり居るって事よ、逆に考えて」
「なにそのよくわからない理屈と信頼」

カロンカロンカロンカロン
「なっ、なんだ?ベルが勝手に鳴り始めたぞ!?」
「私のも鳴ってるわ、共鳴してるのかしらね
非常時に使うベルが鳴ってるって事は、今が非常時なんじゃない?逆に考えて
そしてその事を全員に知らせる必要があって、そのために共鳴するベルを持たせてるんだと思う」
「なるほど、それはそれで筋が通ってるなぁ………
って、だったら冷静に分析しとる場合かァーッ!」
「対処法を説明されてないんだから、何もしなくていいんじゃない?逆に考えて
逆に考えるって偉大な言葉だわ」

こうして俺達は下の階からの凄まじい水流に飲み込まれていった。

第二話 意識の海へ潜行せよ 終
次回 不登校の賢者

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