4 「ここが…魔界?」 恵美はあたりを見回す。 家みたいな建物は、黒い壁や屋根に覆われていて、遠くの方には黒いビルらしきものがある。 「おい、何やってんだ。いくぞ」 後ろに立っていた魔魅に声をかけられた。 …そうだった。あたしたちは追いかけられているのだ。のんびり観光をしている場合じゃない。 「ちょっと待って…」 恵美は、先に行こうとしている魔魅の背中を追いかけた