ナルガEX 2012-06-15 17:49:11 |
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続きです!より良く仕上げるために改定されるかもしれませんが、そこはご了承ください(−_−)
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第二話 その1
エインは見知らぬ場所を彷徨っていた。水もなく、食料もなく、とこまでも続いて行く砂の道を歩き続ける。
喉は完璧に乾き切り、空腹で腹が軋むように痛んだ。
意識が朦朧とする中、目の前に白いローブを着た女の人が立っていた。
女は林檎を差し出し、無言で微笑む。
エインはその林檎を女の手から奪い取り、喰らい付いた。
その時だった。
急に足に力が入らなり、そのその場で地面に倒れ込んでしまった。
女はそんなエインを見下ろし歩み寄って何かを言ったようだが、エインはそれを聞き取る前に気を失ってしまった。
◆◆
エインは物音と、何かが動く気配で目覚めた。
目の前が霞むが、周りはどこかの宿のようだ。
「あ、目覚めましたか?」
声の方を見ると、何処かで見たことのあるような男がこちらを見ていた。
「えっと……。誰だっけ……?」
少し頭が痛く、記憶があやふやな状態だった。何故か夢の林檎の残像がぼんやりと頭の中で漂っている。
「まったく、依頼人の顔を忘れないで下さいよ。フレデリックです。まぁ、3日も寝込んでたら仕方ないと思いますけど……。あ、依頼の方はこちらの警備会社で処理してありますので大丈夫です。まぁ、ほとんど片付けてくれたらしいので良かったですけど……。」
そんなことを長々と語りながらフレデリックは水のような物をグラスにいれて持ってくる。
「気付け薬です。少しスッキリすると思いますよ……。」
エインはそれを受け取り飲んだ。少し、喉の奥に苦味を感じたが、少しスッキリしたようだった。
「んで、俺は何日寝てた?」
エインは頭を掻きながら言った。少し体が怠い。
「3日です。まったく、良い歳して3日も寝込むなんてみっともないですよ!」
3日……。その言葉を聞いてはたと気がついた。気絶する前に居たあの化け物(少年)が3日間野放しにされていた事になる……。
「今の被害状況は?」
少し頭がボーッとするせいか、この言葉を発するのが精一杯だった。しかし、
「被害?それはどういうこと?」
「俺が気絶する前は、ちょっとした化け物がうろついていた筈だが……。」
そう言ったものの、フレデリックな何のことか分からないようだった。
「……何があったんですか?」
フレデリックは少し心配そうに聞いた。
その後エインは水を貰ってからあの時の出来事を一通り話した。
最初のうちは、まだ喉の痛みもあったので話はなかなか進まなかったが、少し薬が効いてきたせいか説明が終わる頃にはハッキリと言葉を発せられるようになっていた。
カーテンの隙間からは太陽の光がさしこむ。
「なるほど……。その少年はいささか気になりますねぇ……。」
少し目を細めながらフレデリックは考えている。
「あ!信じてないだろ?」
「そんなことありませんよ。今の世の中で魔術は使えなくても、生まれながら持つ能力だけで相当な力を持つ……なんて人もいますし……。幼少期に能力の覚醒が起こって発動するケースもあるらしいですよ。たしか……最新のギネスブックでは3歳7ヶ月だったと思う……。」
「でも、そいつは次の年にその能力が原因で死んじまったんだろ?俺が見たのは、大体小学生ぐらいだったが安全圏は20過ぎだ……。それに、俺が常時展開しているシールドを突き破る程の威力だった……。生きてられるとは思えない……。」
エインは試しに目の前に向かって小さな炎を放つが、青白い半透明な壁に阻まれ消滅する。
「まぁ、科学でも解明できないほどですし……。何か例外的な物もあるのでは……。」
ここで、論争に邪魔が入った。ドアからノックが聞こえたのだ。
そのノックに気がついてフレデリックは立ち上がり、ドアを開けた。
すると、そこには軍服を着た男が立っていた。
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