ナルガEX 2012-03-27 18:10:33 |
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「このバッチが何なんだよ!」
トールは言った。
「…………これは………、」
エインは言った。
「ペンタゴン。つまり、国防総省のバッチだ。しかも、これが暴力団やマフィア組織に落ちていたとすると………それらの組織が金銭的支援を受けていると見て間違えないはずだ。」
「え!なんで国防総省が関与してるんだよ!アメリカだろ!?なんで日本に落ちてたんだよ!」
「それは分からないが、上の奴らが考えることだ。何かあるに違い。そう、昔もそうだった………。」
エインはそう言って、懐かしむように遠くを見つめた。
その目は、どこかの懐かしい記憶を思い返しと同時に強い怒りに満ち溢れていた。
「エイン、どうしたの?」
「いや、何でもな………………ん?」
エイン突然首から下げている護符を外して構えた。
周囲を警戒する眼差しで当たりを見回した。
「お前、今何か感じなかったか?」
「え!?何のこと?」
その時!
後ろで気配がした。それは、突然現れた。
エインはトールの服を引っつかんで走った。
そして、振り向き護符を構えた。
「お、女?」
そこに立っているのは、すらっとした薄い浅葱(あさぎ)色長い髪を持つ美女だった。
「なるほど、貴方の魔力は未だ制御しきれていませんね。」
その人はトールを指差して言った。
「え!?お、俺ぇ?」
トールは聞き返したが。
トールを制すようにエインが言った。
「気をつけろ!こいつ、相当やれるぞ!」
エインは、その人から発せられる魔力を感じとっていた。
エインを指差して言った
「全能の神を脅かす能力を持つものよ。私は貴方方の敵でもあり、味方でもある。」
そして、その人は何かを言おうとしたようだが、エインの呪文に遮られてしまった。
「スペルソニック・ブレッテゥ!(音速弾)」
エインの手から、弾が放たれた。
物凄い爆音が起こり、砂埃が立った。
しかし。
「もうしわけありませんが、私には攻撃魔法は通用いたしません。」
煙が晴れるとその人は立ってた。
(む、無傷だと!防御魔術も発動せずに!)
周りには紋章も、護符も見当たらず、地面はその人を避けるように焦げていた。
「チッ!エゴファラマ・ディリゲンテステゥカウザ!(炎よ・射撃せよ)」
エインの手から無数の火炎球が放たれた。
しかし、それらも当たる直前に全て消えてしまった。
「なんだよこいつ!化け物か!」
エインは叫んだ。
「………私も一種の化け物なのかもしれませんね。」
その言葉に呆然とする二人を前に、その人は言った。
「一応、警告です。自分自身の力を侮らないで下さい。私も大事にしたくはありませんし、そのような力でこられてはこちらも困りますから。」
そして微笑み、その人は消えた。
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