青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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青葉:……よく意味が解らない。
木山:今はよく解るけど、当時の俺も同じさ。
人の中に人を閉じ込められるはずがない。
そう抗議すると、伯母は真顔でこう言った。
もちろん人の中に人を閉じ込めることはできない。だけど5人を殺めた犯人は人間ではなく魔物だから。
その言葉を聞き、やはり伯母は俺をからかっている。そう思ったかどうかは覚えていないが、何か反論しなければならないのに次に発する言葉に窮した。しかし伯母に丸め込まれては、遠出ができなくなり、つまらない日々になってしまう。とにかく伯母が何を言おうと納得したら敗けだと思った。
魔物なんているはずがない。それに、魔物は人間より強い。だから人が魔物を閉じ込められるはずもない。
俺は、言葉をひねり出した。
すると伯母は、
魔物はいる。
と言った。正確には、
「魔物はいるのよ。ただ多くの人が存在を信じていないだけ。だから、魔物が起こした事件は未解決のまま葬られてしまうの。」
こうだったかな。
青葉:伯母さんは魔物の存在を信じていたんだね。でも、君が言ったように魔物は人間より強いはず。人間が魔物を閉じ込めることが出来るとは思えない。
木山:それについて伯母は、
魔物には特性があり、特性によって色々と人間に害を及ぼす。5人を葬った魔物もそうだった。だけど、その魔物は自分の特性によって人の中に閉じ込められることになった。
もっと簡単な言葉を使っていたけど、そんな説明をしたよ。でも俺は理解出来なかった。
青葉:そうだろうね。
木山:だから俺は、もっと分かるように話をしてくれと言ったら、
その魔物は、自分の特性で自分を閉じ込めることになった。
と、伯母は答えた。
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