青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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木山:それが、押しても引いても開かなかったんだ。暗くて最初は分からなかったんだけど、扉は南京錠で施錠されていたんだ。
青葉:………。
木山:扉が開かないことでガッカリしたけど、実はそれ以上に安心感があった。扉の向こうはお化けでも出そうな雰囲気で恐かったからな。でも、扉の向こうはどんな部屋なのか、中に何が置いてあるのか気にはなった。だから後でその事を伯母に訊いてみたんだ。
青葉:伯母さんは何て答えたの?
木山:物置として使っている部屋だ、と。それから、あそこは暗く階段も高くて子供には危険だから近づかないように言われたよ。
青葉:怒られたんだ。何か怪しいね。
木山:怒られたというか、注意されたという感じだったな。でも真剣な表情だった。
青葉:やはり怪しいよ。何か隠していそうな……変だと思わなかったの?
木山:その時は何も。俺は素直な子供だったからな。
青葉:そう。
木山:結局、地下の部屋は物置ではなかったけど。
青葉:やっぱり。部屋の中には何があったの?
木山:まあ、待てよ。それが分かるのはもう少し後のことだ。それより、伯母の話は地下階段の扉に近づかないよう注意しただけでは終わらなかったんだ。
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