青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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知らないからこそ巻き込まれないかもしれない。心も安定するのかもしれない。ここで僕がゼロの説明をして、さらにこの学校には強力なゼロがいて事件を起こしていると新里の存在をチラつかせたら、また原先生は動揺するだろう。そして、新里が強力なゼロと気づいてしまったら、新里に接触してしまうかもしれない。黙っていれば新里は原先生の存在にきっと気付かないと思う。でも原先生は自分は敵ではないと言うために、僕を今呼び出しているように新里を呼び出し、わざわざ渦中に入ってしまうかもいれない。それは原先生自身も望まないことだろう。
「自分で言い出しておいて、知らない方が良いはないんじゃない?」
「平穏な日々を送りたいなら知らないで良いと思ったんです。とにかく先生は、もう関わらないことです。僕にも、校長先生にも、山梨日和にも。それが先生にとって一番良いことです。」
「そう?一色君の誤解が解けたならば、そうするわ。それが一番の選択ならば。」
原先生は僕の能力や人格を誤解しているが、もうそれでいい。
「はい。それが良いと思います。」
話はこれで終った。
僕は挨拶もそこそこに立ち去る。急ぎ足で日和が待つ校門に向かった。
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