青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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「醜いと思うでしょう?先生の心。」
原先生は勘違いもするが、鋭い所もある。僕の心を読んだかのように言った。
「美しいとは思いません。」
「解ってるわ。自分の心が浅ましいことくらい。」
「何故その心を僕には隠さないんです?」
「一色君は同じにおいがするのよ。だって心の闇を持っている同種でしょう。でなければ、あれだけ仲良くしている幸島君を四階から転落させることは出来ない。そんな人の心を信じられない人間から信用を得るにはね、人情に訴えるより自分の心が浅ましいことを認めて損得で動くことを明らかにした方が効果があると思ったのよ。」
「同類同種ですか。」
「心の闇を持っているという意味ではね。でも心の強さは全く違うと思うわ。一色君は強いと思う。」
僕のことを人情味ない人間と思っているは不快だ。 が、都合がいいのでこの状況を利用しているのだから腹を立てるのは筋違いだろう。
「先生は山梨日和の能力が何だか知っているのですか?」
「知らないわ。どうでもいいことよ。」
僕の質問に対して吐き捨てるように言った。
「先生は山梨日和が嫌いなんですね。」
「当然よ。あの子は一色君が危険人物と知りながら、それを教えずに能力を一色君に仕掛けるよう命令した。面倒な事に巻き込んでくれたのよ!」
「なるほど。山梨日和にそんな命令をされなければ、こんな風に僕と相対して誤解を解かなくても良かった訳ですからね。山梨日和が現れなかったら前の学校の頃とは違い、能力を使って不安のない職場での日々を送れているはずだった。」
「そうね。でも、この学校は安全ではないわ。何かがおかしい。おかしなことが起こってる。幸島君の転落は一色君がやったこととしても、もっと他に恐ろしい何かがあった気がするの。それが何だか思い出せない。思い出せないのも何かの力が働いている気がして恐ろしいわ。全てを一色君がやっていることならば腑に落ちないこともないけど。この学校でのことは全て一色君がやってることなの?」
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